• 2023/09/02

    レポート&コラム

関西Z世代女子マーケティングレポート2nd Season (第1回)Z世代メンズ編

武庫川女子大学 経営学部 高橋ゼミ 3年
大町彩夏・狐坂悠・松本涼菜

1.私たちについて
はじめまして!私たちは、武庫川女子大学 経営学部の高橋ゼミに所属している3年生です。
私たちは高橋 千枝子先生のご指導の下、4年生20人3年生12人で活動しています。

第1回の記事ではまず、Z世代のメンズの『イマ』についての調査をした結果を発信していきたいと思います!

初めに私たちが行った調査の概要についてです。関西に住んでいるZ世代のメンズが、どのような趣向・消費行動を取るのか、関西のZ世代のメンズの『イマ』を知るべく、私たちは関西在住のZ世代のメンズを中心に104人にWeb上でのアンケートを実施しました。

【調査方法】
Googleフォームを用いたWEB調査 (定量調査)
・調査期間: 2023年8月7日(木)~2023年8月29日(火) 計22日間
・居住地: 関西圏中心
・性別: 男性
・年齢: 10代~20代
・対象: 中学生・高校生・大学生・短大・専門学生・社会人
・総回答者数: 104名

2.Z世代メンズの意外過ぎるおサイフ事情とは!?

 Z世代メンズを知るには『おサイフ』から💲

Z世代のメンズにおける消費行動や趣向を理解するためには、まずお財布事情に関する知識が必須項目になるのではないでしょうか?そこで、ここからはZ世代のメンズのお財布事情を調査した結果や考察を述べていきたいと思います。

アンケート回答者の基本情報

Z世代と1口に言っても、年代層は広く現在の年齢が13歳から28歳までの人々のことを指しています。この広い年齢層では、中学生・高校生・大学生・専門学生・社会人といったような様々な区分が混ざり合っています。しかし、これらすべての人々に共通するのはお財布事情に大きく関わってくる、アルバイトや就業経験などの有無・詳細など、お金に関する事柄を総勢104名のZ世代のメンズの方々に調査しました。

(図1 アンケート回答者の区分)  (図2 アンケート回答者の年齢)

調査を実施した104名の内訳は上記に記載している左図の円グラフから読み取れるように学生95人、社会人9人となっています。年齢層も中学生から社会人までのZ世代と呼ばれる人々になっています。

Z世代のアルバイト事情の第3位は‥『〇〇』!

上記のアンケート結果から学生である95人の人々にどのようなアルバイトを行っているか調査したところ、多種多様なアルバイト経験があることが判明しました。

(図3 勤務しているアルバイト先の職種〈複数回答可〉 総回答数 111)

アルバイト先として最も多く挙げられたのは『居酒屋』(19名)、続いて『飲食』(16名)や『スーパー』(13名)など。そして意外にも『アルバイトなし』(10名)という回答も全体の約11%を占めていることが分かりました。2つ以上の職種を掛け持っている学生の方も12名もいることが分かりました。

Z世代メンズのお給料公開💰

2-1ではZ世代のメンズ(学生)が行っているアルバイトの職種を見てきましたが、ひと月に一体どれほどお給料をもらっているか予想できますか?ではその予想が当たっているか、確認していきましょう。
先述したアンケートに回答していただいた95名の学生の方々に、月々のお給料に関しての調査も行ったところ、以下のような結果が得られました。

(図4 アルバイト勤務のひと月当たりの給料 総回答数:95)

比較的バラつきのあるデータになりましたが、最も多くの方が選択していたのは5~7万円台となり、一方では10万円以上のお給料を手にしている人もいるといった、大変興味深い結果となりました。このような結果が生まれた要因はいくつか挙げられますが、主に2つあるのではないかと考えられます。

まず1つ目は、先述したように2つ以上の職種を掛け持ちで行っている方がいること。そして2つ目は、各職種・勤務場所によって時給や手当が違うこと。このような点がお給料に大きく関わってくるのではないか、と考えられます。

3.予測不能!Z世代メンズの消費行動

 消費行動を深堀りしちゃいます!

今まで、Z世代のメンズ(学生)のお金の『イマ』を見てきました。それでは、ここからは社会人となったZ世代のメンズの方々も併せて、このお金がどのように消費されていくのかということを今から見ていこうと思います。

コツコツ貯めて‥?ます‥(知らんけど‥

幼少期の頃から、両親に『将来のために貯金しておきなさい』と言われた経験はありませんか?少しずつ貯めておいて、いざとなった時に役立つ、貯金。そんな大事な部分をZ世代のメンズはどのように捉えているのでしょうか?
ここでは、まず貯金という面でZ世代のメンズがどのようにお金が使っているかを見ていきたいと思います。

(図5 アンケート回答者における貯金額 総回答数:104)

上記の円グラフは104名のZ世代のメンズの方々に、貯金の総額について調査した結果となっています。最も多い回答群は『10万円未満』(25名)となっており、次いで『10万円台』(15名)と『貯蓄ゼロ』(15名)の2つが同率となっています。
そして、100万円以上貯金している方(9名)もいるという現状もあるものの、これは社会人の方も含めた全回答であるためこの方々の解答かと考えられましたが、9名のうち社会人は2名の方だけとなっており、それ以外の7名は学生であると判明しました。

おサイフから飛んでいったお金の先は‥?💸

では、貯金がゼロの理由はどこにあるのでしょうか?『貯金がゼロ=お金を消費している』ということが言えると考えられると仮定し、104名の方に生活の中で一番お金を使っていることを調査したところ、以下のような結果が分かりました。

(図6 アンケート回答者における最も出費するもの 総回答数:104)

最も多い回答は、『外食(飲み会含む)』(35名)で次いで『趣味・娯楽』(33名)となっています。ここで注目しておきたいのは、この質問に対する回答の種類の多さです。学費を自身で払っている方、一人暮らしのため日用品や食費を自身で払っている方、メンズ美容にお金を支払っている方、など消費先に関する様々な回答がこのアンケートで得られました。

まって!お給料の〇割使っちゃっていませんか!!

では、ひと月当たりどれほどお金を消費先で使っているのでしょうか?
まず、全体の割合としてはこのようになっています。

(図7 アンケート回答者における図6で選択した回答群の月々の最大出費額 総回答数:104)

最も多い回答は『2~3万円』(26名)、次いで『1~2万円』(25名)となっています。そしてここで、先程Z世代のメンズ(学生)アルバイトでの月々のお給料に関する調査の結果を記載していた部分を振り返ってみましょう。1番多く挙がっていた『5~7万円代』とここで多く挙がっている『2~3万円の消費』を関連付けてみると、お給料の半分以上を自身の『イマ』を楽しむために充てていることが分かりました。

Z世代のお金のアレコレ ~外食編~

先述の消費先で多く上がっていた、外食と趣味・娯楽について見ていきたいと思います。
まず、外食に最もお金をかけていると答えた35名にいくらかけているか調査しました。

(図8 アンケート回答者における外食での月々の出費額 総回答数:35)

最も多く回答があったのは、『1万~2万』(11名)『2万~3万』(11名)となっています。外食にお金をかけている人々が回答結果で最も多かったものの、価格にばらつきがあり5万円以上ものお金をかけている人もいることが分かりました。

外食はここが決め手!メンズの注目ポイント👀

では突然ですが、Z世代のメンズが外食の際にどんなことを重要視してお店を決めているかご存じですか?
Z世代のメンズ104名に外食時のお店選び最重要視していることを調査したところ、以下のような結果となりました。

(図9 アンケート回答者における外食先の決定条件 総回答数:104)

最も多い回答は『味』となり、次ぐ解答の『価格』というこの2点はZ世代に限らずどの世代を通しても重要となってくることが分かります。

では、この2点以外の選択についてみていきましょう。昨年のZ世代女子における『食とカフェ』に関する調査では、3番目に『雰囲気』というような写真映えするような空間やゆったり落ち着いて会話できる空間が好まれるという調査結果が表れていましたが、Z世代のメンズはこのような『雰囲気』よりもそのお店の持つ味・人気などを重要視していることが分かります。

SNS(Instagram・TikTok・X〔旧:Twitter〕)での紹介投稿も効果的である事が見受けられますが、知人からのオススメや口コミサイトでのリアルな声を基に外食のお店を決定していることが考えられます。口コミサイトの例としては、食べログ・Retty・HOT PEPPER グルメなどその他多数のサイトが挙げられます。(図5参照)外食の際にそのお店までの道順をマップアプリで調べる際にも、そのお店の口コミを見ることができるため、このような場面からも口コミサイトに触れる機会が多いと言えるのではないでしょうか。

Z世代のお金のアレコレ ~趣味・娯楽編~

続いて、趣味・娯楽について。ここでは、趣味・娯楽に最もお金を消費していると回答した33名に調査を実施しました。

(図10 アンケート回答者における趣味・娯楽での月々の出費額 総回答数:33)

趣味・娯楽では、先程の外食とは異なる消費具合に変化したことが分かります。外食分野では『5万円以上』と回答したのは3名でしたが、一方『趣味・娯楽』では7名と2倍以上の人数がいることが分かります。

では、ここでZ世代のメンズの趣味・娯楽について深堀していきましょう。
Z世代のメンズ104名に趣味に関する調査を実施しました。

(図11 アンケート回答者における趣味の有無 総回答数:104)

まず、趣味の有無に関する質問に対し、90名の方が『趣味がある』と回答しこの90名の方々に『どのような趣味がありますか』という調査をしたところ以下のような結果が得られました。

(図12 アンケート回答者における具体的な趣味の回答 総回答数:90)

様々な回答が得られましたが、多く挙がったものは緑線の『スポーツ』(19名)やゲーム(15名)、推し活(9名)などです。この趣味の項目群34のうち30を超える項目がお金を消費しなければならないものとなっており、Z世代の趣味・娯楽とお金の関係は切っても切れない関係にあると言えます。

この結果から、Z世代のメンズは学生のうちから貯金し100万円以上貯金している人もいれば、稼いだお金で外食・趣味や娯楽、美容などの『イマ』を楽しみ、貯金は少ない人もいることが分かりました。

4.暴露!?Z世代メンズの知られざる『遊び』

月に1回は遊びに出る人は9割!?

皆さんは、Z世代のメンズの『イマ』を知る上で、外出する頻度も重要になってくると思いませんか?
そこで、私たちはZ世代のメンズ104名に『遊び』に関する調査を実施しました。

(図13〔左図〕 アンケート回答者における遊びの頻度 総回答数:104)
(図14〔右図〕 アンケート回答者における遊ぶ日程 〔複数選択可〕 総回答数:149)

遊ぶ頻度に関する円グラフが左図、遊びに行くタイミングに関するグラフが右図になっています。遊ぶ頻度はばらつきがありますが、1ヶ月に1回以上遊ぶ人が96.1%(100名)となっており、大半を占めていることが分かります。

一方で、遊びに行くタイミングの調査結果に関しては73.1%(76名)の方が『土日祝』を選択し、平日に休みがある場合(大学生・振替休日・有給休暇)なども多く挙がっていました。この結果から、『少し時間があるとき』という場合よりも『1日中余裕のある日』を選んで遊んでいることが分かります。

やっぱり〇〇と遊ぶのがええねん!

Z世代のメンズが遊びに行くタイミングが分かったものの、どんな人と一緒に時間を過ごすのか気になりませんか?
そこで、Z世代のメンズ104名によく遊びに行く相手を調査しました。

(図15 アンケート回答者における遊び相手の解答 〔複数回答可〕 総回答数:190)

上記のグラフは調査結果を表しており、黄色の縦棒で示しているものは『友人』であり、Z世代のメンズの多くは『友人』と遊びに行くことが多いことが分かります。

しかし、Z世代のメンズの注目すべき特徴は『各環境の友人と遊ぶ比率が違う』という点にあります。中学校や高校の時の友人とは疎遠になってしまったり、新しい環境下で友人を作ったりし、自身が日々の学校生活のようによく関わってなかを深めてきた友人は遊ぶ頻度が高いものの、アルバイトやサークルなどの月に数回レベルの関わりの人々とは、あまり遊びに行く傾向がない現状が見て取れます。
「アルバイトや職場となると『勤務上の関係』といった固定概念がぬぐい切れず、中々深い友人関係を構築することができない」とアンケート調査対象者の1人が意見を出してくれました。
以上のことから、Z世代のメンズは深い関係性を築いてきた友人とよく遊んでいることが理解できました。

Z世代メンズ、実は『〇〇したがり』

では、Z世代のメンズがどのような遊びを取り入れているのか、見ていきたいと思います。

(図16 アンケート回答者における遊びの内容 〔複数回答可〕)

上記のグラフが調査結果となっています。最も多いのは『外食』(28名)、次いで『飲み会』(21名)となっており食事をして友人と喋る時間が好まれる傾向があることが分かります。そして、その他の項目群でも友人と体を動かしたり、いつもとは違う場所に行って非日常を味わうといった環境が好まれることが分かります。

意外と昔からある!『女子会』は今年で生誕18歳になる言葉

街中や予約サイトで『女子会プラン』や『女子会』といったような言葉を見かけたことがあるひとは多くいるのではないでしょうか。しかし、『女子会』という言葉が誕生したのは2005年の週刊新潮での記事であり、世間一般に知れ渡ったのは2008年の『関西の”読モ”と呼ばれる読者モデルたちが女性だけの会を開いたこと』がスターターであることが提唱されています。これの後ろを追うように『男子会』が普及していった、との説があります。

では、『男子会』のサービスはどのようなモノか事例を交えながら紐解いていきます。

『男子会』✖『いろいろ』

では、まず旅行✖男子会のプランを見ていきたいと思います。『男子会 プラン 旅行』と検索すると様々な例が出てきますが、そのうちの1つを今回ご紹介したいと思います。
伊豆にある伊東温泉の大東館という場所の男子会プランについてご紹介します。こちらは、男子旅人気第1位の旅館で、24時間入浴できる点が特徴です。

男子会プランでは、大人数での男子会を予想している面や、Z世代位のメンズは美容にも気遣っていることもありこの源泉(弱アルカリ性)が肌にいいと美容的な面などから人気を博しています。

続いて男子会✖外食も見ていきましょう。

下記に掲載しているのは、インドダイニングBINDU なんば高島屋店の男子会のプランです。このインドダイニング BINDU なんば高島屋店では、男子に向けたボリューム満点のコースを提供しており、女子の前や上司の前ではがっつり食べることができなくても、友人となら気にせず思いっきり食事ができる、というメンズの想いに寄り添ったプランを提供しています。


5
.Z世代メンズのデジタル事情

 1票差で〇〇が3位に‥
今までZ世代のメンズの様々な趣味・消費行動についてみてきましたが、ここではデジタル部門も見ていきたいと思います。
Z世代のメンズのよく使っているアプリケーションは何かご存じですか?

(図17 アンケート回答者における使用頻度の高いアプリケーションの解答 〔複数回答可〕)

上記のグラフはよく使うアプリケーション(複数選択可)の調査結果となっています。
連絡手段である『LINE』や『Instagram』、様々な種類の動画を見ることができる『YouTube』が上位を占めています。そんな中、私たちが注目したのは『BeReal』というアプリです。

盛らずに『ありのまま』を公開!?『BeReal

『BeReal』とは、2020年にリリースされたアプリケーションで『飾らないイマの自分』を毎日ある時間に投稿するものです。このアプリは3年前からリリースされていましたが、このアプリケーション自体の人気は昨年から上昇しています。

なぜこのような、『飾らない自分を発信する』アプリケーションが人気を集めているのでしょうか。主な理由として挙げられるのは『SNS疲れ』ではないかと言われています。『オシャレな投稿をしよう』『インスタグラマーのような投稿にしよう』といった『自身の生活を盛る』日々を送っていたため、「何も考えずに日常を発信できる「BeReal」は新鮮でストレスがなく、ありのままのリアルが発信できる点」が、大いに受けたのではないかと考えられます。

期待の新星★ Meta社の『Threads

先月末、TwitterがXに変わり、読み込めるツイート乗せ限があったりなど、今までのTwitterに愛着があったユーザーが離れていったことを覚えていますでしょうか。その時、Instagramを運営するMeta社がThreads(読み方:スレッズ)をリリースしました。このThreadsにもZ世代は大きな関心を寄せています。

まず初めに、Threadsとは何者なのでしょうか。少しかみ砕いてご説明させていただくと、『最大500文字まで投稿できるTwitterのバージョンアップしたもの』となっており、『Twitterらしさ』が残る新しいツールとして名を広めました。

このThreadsは、Instagramアカウントを持つすべての人が使えるアプリケーションとなっており、Instagramのアカウントとつなげて利用することができます。
リリースして間もないものの、リリースより5日で1億人ほどのユーザーを獲得できています。今後、Z世代のメンズも着手していくかもしれない、注目のアプリケーションです。

6.Z世代メンズのメイクの進化は止まらない‥

メンズメイクは当たり前の時代!?

近年、メンズメイクが若者を中心に広がりをみせ、市場が拡大しているのはご存じでしょうか?男性化粧品の市場規模は年々増加していることから、メンズメイク需要は増加傾向にあることが分かります。メンズメイクは、男性韓国アイドルの人気や、SNSで簡単に美容情報が手に入れることができること、SNSの広まりにより、画面上にうつる自分の姿をきれいに見せたいといった様々な要因が考えられます。そこで私たちはメンズメイクの実態について調査をしました。

Z世代男子メンズメイクの実態に迫ります!
(図18 アンケート回答者におけるメイクの有無 総回答数:104)

Z世代男子104人に「普段メイクをしていますか」というアンケートを実施しました。問いに対して、メイクをしている人が19.2%(20人)、メイクをしていない人が80.8%(84人)という結果になりました。TikTokやYouTubeでメンズメイク動画を見る機会が多くなっているため、意外と少ないなという印象でした。『メイク男子』という言葉ができ、SNSで目に触れる機会が多いことから、これからメイクを始める男性は増えていくことが予測されますが、実態はまだ少ないことが分かりました。

メンズメイクの特徴とは?

女性の華やかなメイクとは違い、メンズメイクは本来の顔立ちを活かしつつ、足りないところをメイクで補うことが特徴です。
ベースメイクでは肌むらをなくし、クマやニキビ跡など隠したいところを隠し、肌を綺麗に見せる効果があります。ベースメイクは下地、コンシーラー、ファンデーションを使う場合と、BBクリームで仕上げる場合があります。BBクリームとは化粧下地、日焼け止め、美容液などとファンデーションがひとつになったアイテムで初心者や、時短でメイクを仕上げたい人におすすめの商品です。資生堂のメンズブランド『uno』やG.Oホールディングスの『NULL」といった、男性の肌質に合わせて作られたメンズ用BBクリームも多数販売されています。
(図19 図18での回答者における使用メイク用品の回答 総回答数:64)

実際にZ世代男子に『どのくらいメイクをしているか』と問いかけたところ、メイクをしていた20人のうち14人が『下地・コンシーラー・ファンデーション』といったベースメイクを実施していることが分かりました。また残りの6人は『日焼け止めクリーム』のみと回答がありましたが、日焼け止めクリームは肌を白く見せるトーンアップ効果があるもの、色つきのものなど、肌を綺麗に見せることが可能であるため、メンズメイクを始めるにあたって、まずはベースメイクからという男性は多いのではないかと感じました。ベースメイクはメイク初心者でも始めやすく、肌を綺麗にすることは清潔感を与え、見た目の印象も変わるため、メンズメイクにあたって重要な工程であることが分かりました。

次に多かった回答は『リップ』です。アンケートを実施した男性のうち11人がリップを使用していました。リップは血色をよく見せる効果があり、リップをすることで健康的で爽やかな印象を与えることができます。

続いて『アイブロウ』です。20人中10人がアイブロウを使用していることが分かりました。眉毛は顔の印象を決める重要なパーツの1つであり、主に『CANNMAKE』や『CEZANNE』といった王道プチプラコスメを利用している人が多いようです。また最近では眉毛サロンでカットし整えてもらう人も増えてきており、メンズ専門の眉毛サロンも増えています。

その他にもアイシャドウを使用する人が9人、二重テープ、シェーディング、マスカラ、ハイライトを使う人が1人ずついることが分かりました。

メンズに人気のコスメとして、先ほど紹介した、メンズブランドの『uru』『NULL』、プチプラブランドの『CANNMAKE』『CEZANNE』、プレゼントにも人気なデパコス『THREE』や男女共に人気のある韓国コスメの『TIRTIR』や『Innisfree』が挙げられます。

(図20 図19での回答者のメイク用品の組み合わせ 総回答数:64)

コスメの組み合わせとして最も多かったのは下地・コンシーラー・ファンデーションといったベースメイク、アイブロウ、アイシャドウ、リップといった基本的なメイク工程を全て実施しているという回答でした。

普段メイクをしている男性1人に聞いたところ、『メイクをすることで自分に自信をつけることができることから、自分のためにメイクをしている』という回答をいただきました。またメイクをすることで、『眉を左右対称にできたり、肌を綺麗に見せることができたりと、身だしなみのひとつだと思っている』という意見もあり、Z世代男子の中でメイクをしている方は、美意識が高く、その方々の中でメイクをすることは、身だしなみとして当たり前になってきているのだと実感しました。

SNSから見るメンズ美容情報

続いてメンズメイクが浸透してきた理由として考えられるSNSでの美容情報についてです。多くの韓国アイドルやインフルエンサーなどがメイク動画を配信しています。実際に行っているメイクの方法や、おすすめのコスメを発信しており、『この人みたいにかっこよくなりたい』という憧れの気持ちから、メイクを始める男性も多いようです。メイク初心者にとって、『まず何から始めたら良いか分からない』といった疑問を、SNSがあることにより解決することが出来ます。SNSがあることによって、メイク動画をみながら一緒にメイクができ、知らなかった知識、商品を知ることに繋がります。その結果、Z世代男子がメイクに興味をもち、実際にメイクをしている男性が少しずつ増えているのではないでしょうか。

SNSでどのようなメンズメイク動画が発信されているのか調べたところ、芸能人の顔にメイクで近づける『〇〇風メイク』や、インフルエンサーやアイドルが普段している『毎日メイク』、『ナチュラルメイク』などが紹介されていました。TikTokで『メンズメイク』というハッシュタグは691万回視聴されており、若い世代を中心に広がっているのが見て取れます。

7.まとめ

Z世代メンズの『イマ』について調査結果をもとに考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。意外だったこと、やっぱりそうか!と予想が当たったこと‥。様々な印象を受けられたと思います。

Z世代メンズのお金・趣味・デジタル・メイクなどの分析や考察を行ってきましたが、これはあくまでZ世代メンズの『イマ』であり、常に変化しています。私たちは、これからもZ世代メンズの『イマ』を追い続けていこうと思います。

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【担当教員連絡先】

Z世代女子によるZ世代女子のマーケティングレポートです。Z世代女子視点のリサーチや商品開発、モニター調査等にも協力しています。ぜひご相談ください。

(連絡先)武庫川女子大学経営学部教授 高橋千枝子
chietaka★mukogawa-u.ac.jp(★を@に変更してお送りください)

【武庫川女子大学】
兵庫県西宮市にある、2024年4月より12学部20学科となる大学・短大を合わせ約1万人の女子学生が学ぶ、日本最大の女子総合大学。多種多様な学びが特長で、高い専門性と幅広い教養を身に付けて、自らの意志と行動力で可能性を拡げ、生涯を切り拓いていく女性をめざす。
(武庫川女子大学HP:https://www.mukogawa-u.ac.jp/index.html

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