• 2021/02/23

    インターンシップ

西宮の魅力を発信するギフト商品の開発(西宮商工会議所)

私は以前より商品開発について興味があり、将来も何かの商品開発に関わりたいと考えていた。しかしながら実際に体験したことがなかったので、商品開発がどのようなものなのか、自分自身に合っている仕事なのかを確認する為に今回、このインターンシップに参加した。

実践活動の概要
 ギフト商品をオンラインで展開するソーシャルギフト事業「ギフトパッド」を活用した西宮のギフト商品の開発・販売と各種プロモーションを行った。「ギフトパッド」とは、商品を貰う側の人が予め、渡す側の人が設定した値段の範囲内で、商品を選ぶことができる。更に選択した商品の店舗がそのまま、貰う側の人の元まで配送してくれる。つまり「ギフトパッド」を利用するメリットとして、貰う側の人が自分好みの商品を選ぶことができる点、渡す側の人の荷物やその人に直接渡す手間が省ける点が挙げられる。私たちの班では、酒粕とバルーンを使った商品開発に関わった。商品を開発するにあたり、何か一つ西宮感を加えることで、西宮の魅力を発信した。

実践活動での学び・発見
【酒粕を使った商品開発】
私たちが初めに取り組んだのは、西宮にある日本酒屋「柿炭」の酒粕を使った商品開発であった。おつまみにかけるドレッシングや酒粕鍋キッド、美容効果を利用したパックやクリームなど様々な案がでたが、どれもありきたりで行き詰まった。前例が少ない新鮮な商品にしたいと思い悩み、考え付いたのが、酒粕スムージーである。

ターゲットは、10代後半~20代後半の若い女性であり、SNSでの宣伝効果を狙った。最近のSNSの傾向として、白系統やベージュ、ブラウン系統の投稿が流行している為、スムージーにもその流行りを取り入れ、シンプル且つお洒落なパッケージでSNS映えを意識した。味はプレーン、苺、抹茶、きなこ、コーヒーで、その多数は西宮で作られた食材が使われている。中でも酒粕自体の色が白っぽい為、食材を入れてもなかなか色が変わらないことやスムージーとして実現できる西宮の食材を探すことに苦労した。

コンセプトを決める際、どのような時にこのスムージーを飲みたいかを実際に試飲をしながら話し合った。朝食として飲みたいが、化粧などの身支度に時間が掛かるという意見が挙げられ、そのことから「化粧をしながら飲めるスムージー」に決定した。そして、このコンセプトから「drecaf’e」という商品名が名付けられ、優美を意味する「dressy」、鏡台を意味する「dresser」、仕立て屋を意味する「dress maker」で、美を鏡台で仕立てるカフェという意味が込められている。

バルーンを使った商品開発
私たちが次に取り組んだのは、同じく西宮にあるバルーンショップ「Atti balloons」のバルーンを使った商品開発であった。基本的なバルーンの販売方法として、パーティーギフトでの販売とギフトボックスでの販売の二種類がある。だが「ギフトパット」の特性上、商品を貰う側の人が代金を支払う訳ではない為、渡す側の人が支払ったパーティーギフトやギフトボックスで他人を祝うことは良いのかという問題があった。また祝い事や感謝を伝える際に使用するイメージからの脱却や西宮感の取り入れ方に苦労した。

そこで思いついたのは「本人不在の誕生日会」用のパーティーギフトである。「本人不在の誕生日会」とは、現在SNSで大流行している好きなアイドルやキャラクター(推し)の誕生日に共通の趣味の友人とパーティーをして祝うことである。このギフト商品であれば、貰ったものを自分の為に使うことができるので、先程の問題点を解決することができる。ターゲットは、主に「本人不在の誕生日会」を投稿している10代~20代後半の女性に設定した。残る西宮感の取り入れ方については、バルーンの色味を西宮市の花である桜の色味に寄せた。

パーティーギフトならではの問題として、大手通販サイトや100円均一のパーティー用バルーンキッドに負けない工夫が必要であった。その工夫として、購入者の名前とその人の推しの名前が印刷されたオリジナルステッカーをギフト内容に含めた。このステッカーをバルーンに貼ることで周りと被らない自分だけのバルーンをつくることができる。パーティーの後、バルーンを潰して捨てる人が多いが、「Atti balloons」が取り扱うゴム製のバルーンは高品質な為、バルーンの結んだ部分を簡単にほどくことができ、再利用できる。アルミ製のバルーンは、比較的空気が抜けにくいので、思い出として長い間取っておける。よく伸びる割れにくい素材であり、結びやすく、空気を入れるポンプも付いており、初心者やバルーンが苦手な人にも簡単に膨らますことができる。

基本の結び方や流行りの膨らませ方など説明を分かりやすくする為に事業所の方や商工会議所の方々と実際にそのギフト商品を使って「本人不在の誕生日会」を体験し、その準備の工程や完成型の写真、動画を撮影した。

このギフト商品を使って、多くの人に「本人不在の誕生日会」を楽しんでもらうことができたらと心から願っている。

商品開発の基本
商品開発をするにあたり、依頼して下さった事業所に対して、最初の段階で基本的な聞き込みが行われている。流れとして、まずその事業所のブランディングを理解しなければならない。その後、ロジックと呼ばれる考えをまとめ、デザインし、それらを実行に移すのである。具体的にブランディングでは、コンセプト、ターゲット、デザインの順に店舗の情報を把握し、ロジックでは、歴史性・機能性・文化性・経済性・社会性の5つを考慮し、目的やターゲットがはっきりとした商品の開発を目指す。

振り返りと次への準備
商品開発とは、ただヒットする商品を生み出す為の発想力が必要なのだと思い込んでいたが、発想力以前に聞き込みの時点でどのような商品を開発したいかだけでなく、歴史性や文化性、社会性など、その会社のことを根本的に理解しなければならないことを学び、この仕事にとてもやりがいを感じた。一から商品を生み出す流れを知ることやターゲットや価格設定、他の商品との差別化についてもじっくりと向き合うことができ、とても充実したインターンシップであった。最初の頃は、私を含め班のメンバーのほとんどが話を振られないと意見を述べない状況が続いていたが、だんだんと自分から積極的に発言していくことができたところが今回の自己成長点である。また、商工会議所の方に発想力を褒めていただき、商品開発という仕事に更に興味をもち、将来の選択肢の幅が広がった。良い案が思い浮かばず行き詰まることもあったが、班のメンバーと協力し、どの行程も楽しんで行うことができたので良かった。

今回のインターンシップで、習得した点や自己成長点を今後の学生生活や将来に向けて、存分に活かしていきたいと思う。

(経営学科1年 神田茜音)

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