• 2021/11/04

    フィールドワーク

宝塚市立図書館『誘客交流創造プロジェクト』

実践活動の目的
宝塚市立中央図書館の敷地内にある2つの広場を使って、人の交流の場を作るとともに、普段からよく図書館を利用している人だけでなくあまり図書館に来たことが無い人、さらに若い世代などより多くの人に図書館を利用してもらうことを目的にしている。

実践活動の概要
宝塚市立中央図書館は阪急電鉄「清荒神駅」の駅前にあり、すぐ近くに音楽ホール(ベガ・ホール)やカフェがあるなど、立地の良さがあることなどから多くの人に利用されている。
しかし、ほとんど利用する人が同じであることや学生であればテスト期間のみの利用など、どのようにしたらもっと色々な人に来てもらえるか、どうしたら本を手に取ってもらえるかなど考え企画提案する活動である。図書館の2つの広場を使っての企画提案なので、まずはこれまで図書館に縁がなかった人が利用しようと思うような企画を考えなければならない。そして普段はどんな人がどのような理由で図書館に行こうと思わないのか具体的なターゲットを決めながら調査・分析することが必要である。つまり広場を使った企画提案ではあるが、図書館の本来の利用、読書や調べものにつながるものを考えなければならない。

実践活動での学び・発見
まず普段どんな人が利用し、どんな人が利用しないかを明確にするためアンケート調査を行う際、いくつか気を付けなければならないことがあった。例えば、性別をあまり聞かない方が良いということや設問の必要性、選択式にするか記述式にするかなどといったことである。特に性別の設問に至っては現代で敏感なことだと思うので非常に勉強になった。
次に、企画案の内容を考える際には、まずペルソナやターゲットを選定していったのだが、経営の授業で学んだマーケティングを実際の事例で調査できたことはいい経験になっただろう。しかし案に出たペルソナが本当に図書館付近にいるか、図書館と結び付けられているのかと悩むこともあった。

最終の企画案発表までに中間発表という形で何度か現地の方に案を聞いて頂く機会があった。アンケートを分析した結果や、商圏調査の内容を反映させてグループで案を練ったつもりだったのだが、発表後の先方からの質疑応答で何度も回答に迷うくらいのとても貴重な質問や意見を頂いた。私たちの意見を踏まえた上でいかに実現できるか運営されている側の視点でのリアルな話も聞けたことは勉強になった。

最後の企画案発表までに今までの案に加え、予算内でのイベントの運営を考えるということ自体が初めてなので、まず必要な物の値段を調べることから始まった。グループで何度も作業中に、図書館を利用してもらうという本来の目的から脱線していないか話し合う場面も何度かあった。
この実践学習を通して一番難しく感じたのが、どうしたら目的を達成させることができるかということである。最初から変わらないものはこの目的だが、どのようにしたら良いのだろうかと考えているうちに逆に見失ってしまいそうになる時があるので何度か再確認しながら初歩に戻ることも大切なのだと考えさせられた。

振り返りと次への準備
私はこの図書館のプロジェクトが初めての実践活動であった。ちょうど活動が始まろうとしたときに緊急事態宣言が出てしまったこともあり、このプロジェクトはオンラインで進められた。グループワークがメインだったので最初はオンラインで顔を合わせたことが無い人とも協力して最終発表までもっていくことができるかが一番の心配事であったが、何度か回を重ねていくうちにしっかりグループになっていたと思う。
また、アンケートを自分たちで作成しそれを市役所の方がサイトにアップして下さり結果を分析したり、実際に図書館の役に立てるような企画案を考える機会を経験できるなんてそうそう無い事だ。最後の企画案発表会が終わった後に先方に私たちが企画したイベントを前向きに考えていきたいと仰って下さったときはとても達成感を感じることができた。ここで学んだスキルをこれからの実践活動でも使っていけるようにしたい。

(経営学科2年生久保 麗奈)

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