• 2024/11/23

    レポート&コラム

関西Z世代女子マーケティングレポート3nd Season 〜ファッション編~

武庫川女子大学 経営学部高橋ゼミ3年
新木和花 岡本小春 藤原伊珠

1.はじめに
はじめまして、こんにちは! 武庫川女子大学経営学部の高橋ゼミです。
私たちは高橋千枝子先生のご指導の下、3年生15人で活動しています。

 

第3回の記事では「ファッション事情」について発信していきたいと思います!

今回、私たちはZ世代のファッション事情について調査を行いました。
まず、関西在住の女子大学生を対象に、WEB上で第1回と第2回に分けてアンケート調査を実施しました。第1回目では合計80名、第2回目では合計79名の方にご協力いただきました。そこでアンケート結果を分析していきたいと思います。

【調査方法】
①WEB調査(定量調査)
・調査期間:2024年9月25日~10月7日
・居住地:関西中心
・性別:男性、女性、未回答
・年齢:18歳~29歳
・対象:高校生、大学生、短大・専門学生、社会人
・回答者数:80名

②WEB調査(定量調査)
・調査期間:2024年10月23日〜11月12日
・居住地:関西中心
・性別:男性、女性、未回答
・年齢:18歳~29歳
・対象:高校生、大学生、短大・専門学生、社会人
・回答者数:79名

2.Z世代はどこからファッションの情報を得ている?

 Z世代はどこからファッションの情報を得ているのでしょうか?雑誌などの紙媒体よりもSNSが中心の時代になっています。SNSの中でも、YouTube、Instagram、Pinterestなど、どのSNSがメインとなっているのか、それを読み解くためにアンケート調査を行いました。

◆1番多いのはInstagram!
結果によると、『Instagram(44人)』が全体の55%を占めていることが分かりました。次に多いのが『TikTok(21人)』の約26%でした。SNSの中でもユーザーが多いInstagramはどんな情報を得るのにも活用されていることが分かります。また、動画であれば洋服のサイズ感や、質感なども伝わるため、InstagramのリールやTikTokをみている人が多いのではないかと考えます。

◆特にどんなアカウントを参考にしている?
結果から、『インフルエンサー(48人)』が一番多いことが分かりました!また、『アパレル定員のアカウント(21人)』を参考にしている人も少なくはありませんでした。アパレル店員は、ファッションを仕事にしているためファッションに詳しいということが参考にするポイントであると考えられます。そして、『ブランドの公式アカウント(33人)』を選ぶ人も多くいました。公式アカウントを見ることで流行を早く、よく理解することができるのではないでしょうか。『ファッションのまとめアカウント(16人)』も近年増えており、参考にしている人もいました。Instagramではファッションのまとめの投稿がおすすめに出てきます。そこから流行や新作、話題のアイテムなどをチェックしている人も少なくはありません。『アイドルの投稿(13人)』や『物のハッシュタグ(9人)』を参考にしている人も少数ですがいることが分かりました。

◆SNSでファッションの情報を得た後はどうしている?
結果から、『参考にする(67人)』という人が約84%でほとんどの割合を占めることが分かります。ファッションの情報を得たものの、『同じ服を購入する(5人)』という人は本当に少数であることが分かりました。この結果から、インフルエンサーなどが着用している物は高価なモノの場合が多くZ世代には真似しづらいのではないのでしょうか。

◆ファッションにフォーカスした投稿をしたことがあるか聞いたところ…

 結果から、ファッションにフォーカスした投稿をしない人が全体の約7割を占めました。ファッションの投稿が多いインフルエンサーをよく見ているZ世代ですが、多くの人がファッションに関するSNSは見る専門ということが分かりました。

◆そんなZ世代ですが…ファッションの情報を友達と共有する?
結果から、約9割の人がファッションについて友達と話したり、共有したりしていることが分かりました。そのことから、ファッションに興味がある人が多いということが分かります。

◆結局Z世代のファッションへの関心はあるのか?

Z世代はSNSからファッションの情報をよく見ていることが分かrました。特に、アパレル店員のアカウントブランドのアカウントなどファッションに興味がなければ見ないようなアカウントを参考にしていることから読み取ることができます。また、得たファッションの情報は、多くのZ世代が友達と情報を共有していることからも読み取ることができます。

 

3.推し活とファッションの関係性について

 Z世代の生活の中で中心となりつつある推し活。私たちは、自分たちの経験も踏まえて推し活をするときはおしゃれをするZ世代が多いのでは?という仮説を考えました。そして、推し活とファッションには関係性があるのか、あるとしたらどんなことがあるのかを調査しました。(ライブに言って推し活する人にのみアンケートをとりました。)

◆Z世代は推し活をする際におしゃれをするの?

 結果から、なんと『普段よりもおしゃれをする(61人)』というZ世代が95%以上いることがわかりました。大好きな人に会えるライブでは、気合を入れておしゃれしていこうと思いますよね。

◆推し活のために新しい服を買っておしゃれをするの?
結果から、『新しい服を買う(47人)』という人が約7割を占めるということが分かりました。ライブに行くときにおしゃれをしていく人が多いことからも分かりますが、新しい服を買っておしゃれをしている人も多くいることが分かります。また、Z世代は推し活のために様々な準備をする中で、ファッションにも注力しているのではないでしょうか。そんなZ世代は、推し活をする際にどのように着る服を決めているのでしょうか?

◆推し活にドレスコードがある⁈
結果から、『好きな服を着る(42人)』という人が全体の半数以上の、約52%でした。ですが、予想以上に『推しの雰囲気やドレスコードに合わせる(25人)』という人も多いという意外な結果になりました。推しの雰囲気やドレスコードに合わせるということは具体的にどういうことでしょうか?例えば、メンバーカラーなどが決まっていれば、メンバーカラーを用いたコーディネートをすることもできます。また、最近ではライブのコンセプトや推しのイメージなどに合わせて公式的にドレスコードがあるライブも増えました。

(学生撮影)
↑メンバーカラーは赤色!それを軸にして、コーディネートされています。

(学生撮影)
↑この日はライブの雰囲気に合わせて、ドレスコードは水色!水色のパンツでさわやかなイメージでコーディネートされています。

(学生撮影)
↑この日は推しの雰囲気に合わせて、黒い服か、フーディーでラフな服装でというドレスコード!ブラック、ネイビー、グレーという暗い色でまとめたコーディネートです。

◆ライブに一緒に行く友達と服を合わせる人も多い!
結果は、ほぼ真っ二つでした。ですが、想像以上に一緒にライブに行く友達と同じ服を着たり、リンクコーデをしたり、雰囲気を合わせたりする人が多いことが分かりました。推し活の際には写真を撮ることが多いので、友達とセットでまとまりのあるコーデだとさらに写真映えします。
(学生撮影)


◆Z世代は推しのファッションから勉強しているってほんと?
結果から、なんと推しのファッションを参考にしている人は半数以上の約66%でした。あまりにも多い数字で驚きました。Instagramや空港ファッションから、推しの私服を知れる機会は少なくありません。多くの人に見られる職業をしている推しからだからこそ、おしゃれで、ファッションについて学べることが多くあるのではないかと考えます。

4.Z世代にとってファッションとは?

 人の数だけファッションがあるのでは?!と感じるほど、とても幅が広くなっているファッション。ファッションって一体どこまでがファッションになるの?!という疑問から、Z世代にとってのファッションについてアンケート調査を行いました。

◆自分らしいファッションが好き!

結果は、なんと『流行を気にしない自分らしいファッションが好き』と回答した人が、約63%でした。流行を気にせず、自分らしさを大事にする人や、その自分らしさを表現するという人が多いのではないかと考えられます。


◆どんな系統のファッションが好き?

結果をまとめると、大きく3つの系統に分かれました。

きっぱりと分かれた系統
きれいめ、シンプル、カジュアル、モード、ガーリー、ストリート、スポーティー、クールといったそれぞれの要素がはっきりと分かれている系統

それぞれの要素を掛け合わせた系統
きれいめ × カジュアル、オフィス × カジュアル、フレンチ × ガーリー、ストリート × ギャルなどの、①の要素を掛け合わせた系統

独自の価値観をもつ系統
・スナ系:ファッションブランド「SNIDEL」のスタイルを好む系統
・量産系:明るめでガーリー系のスタイル
・地雷系:量産系に闇のイメージをプラスしたスタイル
・ノームコア:normalとhardcoreを足した、ごく普通を極めた、流行に左右されない、シンプルなアイテムでそれぞれの人自身が持つ個性や知性が際立つスタイル
・古着系・海外系・韓国系など、それぞれに独自の価値観が含まれている系統

このように、たくさんの系統がありますが、多くの人が、複数の回答をしていたことから、一つの系統を好んでいるのではなく、複数の系統を自分らしいファッションとして取り入れていることがわかりました。

(学生撮影)
↑古着を使用した古着系ファッション(左)と、古着を使用せず古着系に見えるように組んだファッション(右)です。


◆自分なりのファッションのこだわりは?

色を3色までにして統一感を出すことや、スタイルが良く見えるようにすること、自分のサイズ・骨格に合ったファッションにすること、TPOやその日のテーマに合わせてファッションを組むこと、ワンポイントを入れることといった回答が多く挙げられました。

他にも、かっこいい感じにすることや、カラフルにすること、同じ組み合わせを着ないこと、同じブランドの服を着るなどといったこだわりも挙げられました。

統一感やTPOを意識しつつも、自分をより良く見せるために、ファッションにこだわっている人が多いのではないかと感じました。


◆コーデを組むとき、何から決める?
結果は、トップスから選ぶと回答した人が約70%と一番多く、次に多かったのが、パンツから選ぶと回答した人で約15%という結果でした。中には、メイクやヘアスタイルから選ぶと回答した人や、その他にも、その日着たいものを一つ決めるという人や、その日絶対に入れたいと思うものを決めてから選ぶという人もいました。


◆自分の好きなファッションアイテムは?

以下のような回答が挙げられ、大きく7つに分類して紹介します。

①帽子・ヘッドウェア
ニット帽(猫耳ニット帽なども)・キャップ・バブーシュカ・イヤーマフ

②アクセサリー・ヘアアクセサリー
ピアス・ブレスレット・腕時計・スカーフ・リボン・シュシュ・ヘアバンド

③バッグ
ナップサック・エコバッグ

④ファッションアイテム・小物
ネクタイ、靴紐、ベルト、アームウォーマー、めがね(伊達めがねなど)

⑤靴・足元アイテム
ブーツ(ロングブーツなど)・靴下

⑥オーディオ機器
ヘッドホン・有線イヤホン・AirPods

⑦雑貨
ガチャガチャのキーホルダー、キャラクターのキーホルダー、ストラップ、カラビナ、トレカケース

その他にも、アンダーウェアやネイルという回答もありました。

さらに、これらのファッションアイテムの使い方も、スカーフを鞄に着ける、靴紐をベルト代わりにする、有線イヤホンを首に巻く、キーホルダーやカラビナは腰につける、下着をあえて見せて着るなど、ファッションアイテムの種類の幅だけではなく、使い方の幅も広く、自分のスタイルを様々な方法で表現していることがわかりました。


(学生撮影)


5.ファッションにおける消費者行動

SNSの普及やデジタル化によって消費者が個性や持続可能性を重視し、ファッションにおける価値観や消費行動が変わってきたのではないかと仮説し、調査していきました。

 ◆服はお店orネットで買う?
服をお店で購入する人は50.6%(40人)ネットで購入する人は49.4%(39人)となり、おおよそ半分ずつに分かれました。
そこで、なぜお店又はネットで服を購入するのかを分析しました。

◆ネットで購入する理由とは?

ネットで服を購入する理由として挙げられるのは、大きく分けて3つです。

①種類が多くて購入するのが楽だから
ネットで購入すると、店舗に比べると種類が多く手軽に商品を探せることがメリットであり、また足を運ばなくても商品を購入できるので「いつでも!どこでも!」商品を購入することができます。

②ネットのほうが1人でゆっくり悩めるから
ネットで服を購入する人の多くは「店員さんに話しかけられたくない」「1人でレビューを見たり、商品を比較して服を選びたい」人が多かったです。

③海外ブランド・海外通販で服が購入できるからです。
近年は韓国ファッションを参考にする人が多く、韓国ブランドの商品を購入する人が多い傾向が見られます。またheinなどといった海外通販サイトで服を購入するZ世代が多いようです。


(出所) https://lab.fril.jp/post-4601

 

◆お店で購入する理由とは?

お店で服を購入する理由として挙げられるのは、大きく分けて2つです。

①試着をしてサイズを確かめたいから

②自分に似合うのか見たいから

実際に試着を行い、サイズ感や色味、また自分の体型や雰囲気に合うのか確かめたいという意見が多く、失敗を避けたいという思いが読み取れます。

 

◆店員さんと話して悩みたい?!

調査結果から、Z世代の多くは、1人でゆっくりショッピングを楽しみたいという傾向が強いことがわかります。店員と話したいと答えた人は35.9%(14人)にとどまり、残りの大多数が1人で自由なペースでの買い物を好むことから、ネットショッピングの利便性が特に重要視されていると考えられます。

一方で、店員との会話を希望する人からは、「店員さんに褒めてもらうことで自己肯定感が上がる」「購入時に一緒に悩んでほしい」といった意見が聞かれました。このことは、Z世代の一部において、感情的なサポートや共感を求める傾向があることを示唆しています。


◆好きなブランドはありますか?

好きなブランドはありますか?と質問したところ、65.8%(52人)の人が「はい」と回答し、34.2%(27人)が「いいえ」と回答しました。
「はい」と回答した人の多くは、ブランドの新作をチェックするようです。


また調査の結果、新作の商品を購入する人は全体の55.8%(29人)であり、一定数の消費者がブランドにこだわらず服を購入していることが分かりました。
この層の購買行動を詳しく分析するため、ブランドにとらわれない服選びにおいて重視されるポイントについて調査を行いました。その結果、以下の観点が重要視されていることが明らかになりました。

1,着回しのしやすさ
購入する服が既存のワードローブと組み合わせやすいかどうかが大きなポイントとなっています。特に、日常的に使える実用性を求める傾向が強いことがわかります。

2.デザインや好み
自分の個性やライフスタイルに合ったデザインであるかどうかが購入の決め手となっています。このことから、消費者はブランドよりも、自分に似合うかどうかや好みに合うかを重視していると言えます。

3.体型との相性
試着や商品の情報を通じて、自分の体型に合ったシルエットやサイズを選ぶことが購買の重要な要素となっています。最近は骨格診断やパーソナルカラー診断が流行しており、これらをもとに服を選んでいる人もいるようです。

4.値段
コストパフォーマンスが重視されており、特にZ世代のような若年層においては予算内で満足できる商品を選ぶ傾向があります。

5.直感やときめき
合理的な判断だけでなく、「これだ!」という感覚や商品を見たときのときめきといった感情的な側面も購買の大きな要素となっています。こうした感覚的な満足感は、ブランドにこだわらない層の購買行動において特に重要であることが読み取れます。

8.まとめ

Z世代のファッション事情について調査してきましたが、いかがでしたか?

トレンドや流行がある中でも、自分らしさを大切にする人が多く、ファッションの形が十人十色であることが分かりました。また、SNSの普及により、世界各地のファッション情報が簡単に手に入るようになり、個々がより自分の好きなスタイルを楽しめる時代になっていると考えられます。

これからどのようなファッションが生まれ、新たな価値観が広がっていくのか、とても楽しみです。

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(注)本レポートは情報提供のみを目的として作成されており、執筆者の見解に基づき作成されたものです。本レポートは著作物であり、著作権法に基づき保護されています。本レポートを使用・掲載の際は必ず「(出所)武庫川女子大学」と明記して下さい。

 

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