• 2024/09/22

    レポート&コラム

関西Z世代女子マーケティングレポート3nd Season~コスメ・美容編~

経営学部高橋ゼミ3年
井澤晶貴 奥きらら 豊田鈴実

1.はじめに
はじめまして、こんにちは! 武庫川女子大学経営学部の高橋ゼミです。
私たちは高橋千枝子先生のご指導の下、3年生15人で活動しています。

第2回の記事では「Z世代のメイク・コスメ」について発信していきたいと思います!

今回、私たちはZ世代のメイク・コスメについて調査を行いました。まずWEB上で関西に住む女子大学生を中心に、79名の方々にアンケートをお願いし、回答していただきました(16〜18歳:5名、19〜22歳:72名、23〜29歳:1名、30歳以上:1名)。そこでアンケート結果を分析していきたいと思います。 

【調査方法】
WEB調査(定量調査)
・調査期間:2024年6月24日~7月10日
・居住地:関西中心
・性別:男性、女性、未回答
・年齢:10代~50代(主に20代)
・対象:高校生、大学生、短大・専門学生、社会人
回答者数:79名

2.Z世代のコスメ事情はどうなってる?

Z世代がコスメを購入する際にどのような点を重視しているのかについてアンケート調査を行いました。

◆中価格帯のコスメが人気!
コスメを購入するときに値段を気にしますか?コスメは低価格であるプチプライスコスメから高価格であるデパートコスメまで様々な価格がありますよね。そこでZ世代が購入するコスメはどの価格帯が多いのか、アンケートを行いました。

結果によると、『~1,000円(8人)』、『1,000円~2,999円(53人)』、『3,000円~5,999円(14人)』、『6,000円~8,999円(2人)』、『9,000円~11,999円(1人)』、『20,000円以上(1人)』という回答結果になりました。この中で最も多い回答数が『1,000円〜2,999円(53人)』ということから、Z世代は中価格帯のコスメを好み、購入している傾向があるということが分かりました。

以上のことから中価格帯コスメは手に取りやすい価格であることから、自分に似合うコスメやお気に入りのコスメを発見するために、沢山試せるという利点を持っていると考えました。

◆コスメの購入は選択しやすい場所が好き!
コスメを販売している場所は色々ありますが、Z世代がコスメを購入する場所についてもアンケートを行いました。

中価格帯を好むZ世代はデパート(百貨店)で購入すると答えたZ世代は少ないという結果になりました。最も多い回答数を得た場所が『ドラッグストア』、次いで『バラエティショップ(PLAZA・LOFT)』と答えたZ世代が多いことがわかりました。最も回答数が多かった『ドラッグストア』のコスメは、「ドラコス」と呼ばれています。ドラッグストアには、お手頃価格で手に入るプチプラコスメから資生堂などのカウンセリング化粧品まで、種類豊富な品揃えから選択の自由があることが魅力だと考えられます。さらに、ドラッグストアのメリットとして、トイレットペーパーや洗剤などの日用品を買うついでに購入することができる点が挙げられます。

また、現在はネット社会ですが、『ECサイト』や『ネット(Amazon・楽天・Qoo10)』が実際の店舗がある場所と比較して、回答数が伸び悩んだことから、実際にテスターで試したり、目で見たりしたいと考えるZ世代が多いのではないかと考えました。

◆口コミの影響はすごい?!
コスメを購入するときに何を重視しますか?ということですが、最も多い回答が『口コミ(30人)』、次いで『効果・効能(21人)』、『コスパ・品質(9人)』、『インフルエンサーなどのプロデュース(3人)』などが主に挙げられました。最も多かった回答である『口コミ』ですが、ネットや@cosmeなどのアプリによる口コミに加え、InstagramやTikTokなどのSNSによる投稿での評価を重視することだと考えられます。そう考えた理由として、メンバーがネットではあまり口コミを見ず、Instagramなどのアプリから、評価している情報を仕入れるからです。

◆コスメ情報はSNSから仕入れる!
ではZ世代はコスメの情報を主にどこから仕入れているのでしょうか。アンケートの結果から、InstagramやTikTok、YouTube、XなどのSNSから情報を得ているということがわかりました。その中でもInstagramが特に多く、今後企業側はSNS(Instagram)に注力したプロモーションが必要であるといえます。しかし、SNSには情報がたくさんあり、どれを信じていいのか正直わかりません。そこで、Z世代に信頼するポイントを聞いてみました。意見が多かったのは、レビュー件数が多い、評価の数が多い、一般ユーザーの情報であることというのが、信頼するポイントとして挙げられていました。このことから、Z世代はコスメを選ぶ時に、一般ユーザーからの評価が高いものを信頼する傾向があるといえます。

次に、自分に似合うコスメの見つけ方についてアンケート調査を行いました。やはり、Z世代はコスメの情報を主にSNSから得ているという点から、多くの人が似合うコスメもSNSから情報を得ていることがわかりました。次に、自分に合ったパーソナルカラーでコスメの似合う似合わないを判断したり、お店で色味を直接見て自分に合うか確認しているということが挙げられました。最後に、インフルエンサーが紹介しているからや、かわいいインフルエンサーと同じものを使いたいという意識から、インフルエンサーの紹介でコスメを見つけている人も、アンケート結果から明らかになりました。

◆Z世代に人気のコスメとは?
そんなZ世代ですが、どのブランドのコスメを使用しているのでしょうか。そこでアンケート調査を行いました。アンケート結果から、1位がセザンヌ、2位同率でCANMAKE、rom&nd、3位がWonjungyoであるということがわかりました。ランキングしているコスメブランド4つのブランドに共通していえることは、コスパが良く、手を出しやすい価格で、どこでも購入することができるということが挙げられます。このことから、Z世代が好むコスメブランドは、比較的安価なコスメブランドが多いことが明らかになりました。これらから、コスメは消耗品だから安く済ませたい、安価で色々なコスメを試したいというZ世代のリアルな声を聞くことができました。

3.メイクのトレンド、こだわりについて

◆メイクのこだわりは目元が中心!
メイク事情が分かったところで、次はZ世代がどのようにメイクをしているのか深堀りしました。

アンケートの結果から、最も回答数が多いのが、『アイメイク(58名)』、次いで『スキンケア(9名)』、『リップ・チーク(6名)』、『ベースメイク(5名)』、『その他(1名)』という結果になりました。回答数が多いアイメイクの中でも、さらに細かく分類分けすることができ、『まつげ』が圧倒的に票数を集め58名中23名がまつげにこだわるという結果になりました。この他にも、『アイシャドウ(11名)』、『涙袋(10名)』、『眉毛(8名)』、『アイライン(6名)』となり、目元のメイクは細部までこだわるZ世代が多いということがわかりました。

この結果をもとに、なぜアイメイクにこだわるのかについて調査を行った結果、以下のような意見が挙げられました。
「アイメイクによって、印象が変わるから」
「目を大きく魅せられるから」
「人からたくさん見られる場所だから」
(アンケートより抜粋)
上記の意見から、アイメイクは顔の印象を決め、相手にどのような印象を与えるか決める場所であるため、Z世代はこだわる人が多いのではないかと考えます。

◆メイクの不安はたくさんある・・・
メイクに関して悩みごとはつきものではないでしょうか?アンケートを行ってみると、一番の悩みは「自分に似合うメイク・色がわからない」「メイクの仕方が分からない」などのメイク全般に関するものでした。

この回答が多い理由として、本レポート2で述べたZ世代が好むコスメの購入場所・価格帯が影響していると私たちは考えました。ドラッグストアや、バラエティーショップでは入りやすさ、低価格・中価格で手が出しやすさと引き換えに、相談できる人がいないというデメリットを持っています。自分に本当に似合っているか分からない不安が解消できないままメイクをしている人が多いのではないでしょうか。

私たちはこの不安に対して、低価格・中価格のコスメのパッケージにQRコードをつけ、読み込むことでメイクの方法やどのような人に似合うのかという情報がわかるようにするという案を提案します。また、メイク全般の不安だけではなく、「夏場や長時間のメイクでの化粧崩れ」という季節・時間に関する悩みや、「使用していたら肌が荒れた」などの肌トラブルに関する悩みなど多くの悩みを持っていることがわかりました。

◆まだまだ韓国メイクは人気!
どんなメイクを参考にしているのか?ということで、メイク・コスメのトレンドを調査しました。調査の結果、「韓国メイク」・「ナチュラルメイク」・「バレエコア」が主な意見として挙げられていました。

韓国コスメとは、韓国で流行しているメイク、韓国人がしているメイクのことを指します。最近の韓国コスメのトレンドは、水光肌(ツヤ肌)、頑張りすぎないアイメイク、リップメイクが挙げられます。(韓国アイドル「IVE」のウォニョンがお手本)

ナチュラルメイクとは、すっぴんのような自然な雰囲気なのに、肌が綺麗で、血色感があり、目鼻立ちがくっきりしているメイクのことを言います。韓国メイクでもナチュラルが流行してきていることから、少なからず、韓国メイクの影響を受けナチュラルメイクが流行してきているのではないかと考えます。

バレエコアとは、韓国メイクの一部であり、バレリーナのようにナチュラルで可憐な雰囲気のメイクのことを言います。最近の韓国アイドルがこのメイクをしていることで注目されるようになってきました。バレエコアメイクのキーカラーはローズピンクで可愛らしいながらも、顔の輪郭がはっきり出るように血色感を大切にしています。また、メイクと同様にヘアアクセサリーにリボンを用いたり、ファッションにフリルをあしらったアイテムを活用することがあるという特徴も持っています。(韓国アイドル「LE SSERAFIM」のカズハがお手本)

4. パーソナルカラーについて

◆パーソナルカラーって何?
皆さんはパーソナルカラーをご存じですか?パーソナルカラーとは、その人の生まれ持った色(瞳・髪・肌)と雰囲気が調和する色(=似合う色)のことを言います。イエローベースとブルーベースに大きく2つの分類に分けられ、その中にそれぞれ「色の明るさ」「色のコントラスト」によってイエローベースは春・秋、ブルーベースは夏・冬と4つの季節に分けられます。パーソナルカラーを知ることで、自分の似合う色の服やメイクができ肌の透明感が増したり、健康的に見せることができると言われています。

【パーソナルカラー診断】イエベ・ブルベ別!自分に似合う“白”ウエディングドレスの選び方 | トキハナmagazine (tokihana.net)より引用

◆パーソナルカラーを意識する人が多い!
最近、注目されるようになってきたパーソナルカラーですが、どれくらい意識してメイクをしているのか調査しました。

その結果、約8割にあたる63名の方が意識してメイクを選んでいるということがわかりました。

◆パーソナルカラーは良いという意見の一方で・・・
パーソナルカラーを意識して選んでいる人が多いということがわかりましたが、チームのメンバーの中には「パーソナルカラーが自分が思っているものと、人から言われるもので違う」という意見が挙げられ、本当にパーソナルカラーを意識することは良いことなのか調べてみました。意識すると答えた人のパーソナルカラーに対する答えは以下のようになっていました。

『自分に似合うメイクがわかって便利』と答えた人が約8割の49名いることが分かり、やはりパーソナルカラーは良いものと捉えている人が多いことがわかりました。しかし、一部の人からは、『パーソナルカラーにとらわれすぎてメイクが選びにくくなった』という意見などのマイナスの意見も挙げられました。また、パーソナルカラーを意識しない人からは『自分に似合うメイクがしたいから意識しない』という意見が挙げられました。このことから、パーソナルカラーは便利な反面、少し苦痛を感じている人がいることや、自分らしさを大切にしている人からは必要とされていないことがわかりました。
私たちはこの結果から、イエローベース・ブルーベースどちらにも似合う中間色のカラーのコスメを販売することで誰からも好かれるのではないかと考えました。

5.私たちのメイクのリアルについて
これまで、Z世代のメイクやコスメ事情についてリサーチしてきましたが、実際にZ世代である私たちメンバーのリアルを紹介します。

◆メイクにかける時間はどれぐらい?
メイクにかける時間は人それぞれだと思いますが、皆さんは大体どれくらいですか?学校に行くときとプライベートで遊びに行くときのメイク時間を調査しました。学校に行くときは『10〜20分』程度メイクに時間をかけていることが判明しました。意識していることは「ナチュラル」で、下地とアイメイクのみと回答したメンバーもいました。つまり、朝早く家を出ないといけないこともあり、時短で簡単に最低限のメイクで済ます人が多いことが結果から読み取ることができます。

また、プライベートの場合は『20〜50分』程度と、学校の約2倍以上の時間をかけていることが分かりました。意識していることは「盛る」です。例えば、束感まつげやファンデを学校のときに比べ、丁寧に塗ることやグリッターをつけるなど、写真映えするようにメイクを行っていると考えられます。さらに、メイクをしっかりすることで、普段とは異なる自分になれるため、気分も上がるのではないでしょうか。

◆ポーチの中身は何?
Z世代であるメンバーが持ち運ぶポーチの中身を紹介します。中身では、パウダーやリップ、鏡、あぶらとり紙、コンシーラーなど、最低限のコスメを入れています。
大きいカバンの場合はポーチを持ち歩くと答えたメンバーもいましたが、全くポーチを使わず、カバンに直接入れると答えたメンバーもいました。小さいカバンの場合は、メンバー全員がポーチを持ち歩かないということが判明しました。

◆化粧崩れしたその後は何するの?
化粧が崩れると悩んでいる人は多いのではないでしょうか。私たちメンバーがメイクが崩れた場合に、どのような手順でお直しをするのか紹介します。メンバーのほとんどが似たような流れになりました。
まず、あぶらとり紙や化粧水がついている保湿もしてくれるシート(ビオレのメイク直しシート)で汗や皮脂を拭きます。その後コンシーラーを使用して気になる箇所や崩れてしまった箇所をカバーし、パウダーで仕上げ、リップを塗り、完成です。以上のことから、最低限のものしか持ち歩かないZ世代にとってこの手順をまとめてくれるような商品があれば、便利だと考えました。

6.私たちが注目するコスメスポット
最後に私たちメンバーが関西で注目しているコスメスポットに協力していただき実際に行って調査してきた様子を紹介します。

◆@cosme OSAKA
注目したコスメスポットは@cosme OSAKAです。大阪梅田のLUCUA イーレ3階にあるコスメストアです。ここでは、チップや鏡、スポンジなどがいたるところにあり気軽に『試せる』、クチコミをもとに何が売れているかなどをわかりやすく表示し、コスメに『出会える』、プチプラだけではなくデパコスも取り扱いがあり『運命コスメ』を見つけることができます。

ゼミ生撮影(店舗許可を頂いて撮影)

@cosme OSAKAに行ってみて
@cosme OSAKAに行ってみて、誰もが楽しめる場所だと感じました。中価格・低価格帯を取り扱うドラッグストアなどでは、相談できる店員がいないという弱点が、高価格帯を取り扱う百貨店では敷居が高く入りにくさがあるという弱点があると感じました。しかし、ここではそれらの弱点を補うように『入りやすいけどなんでもできる』ということが出来そうだなと感じ、これからもZ世代だけではなくコスメが気になる人たちから愛される場所になるのではないかと考えました。

7.まとめ
Z世代のコスメ事情を調査してきましたが、いかがでしたか?納得できるところと、意外に思われるところがあったのではないでしょうか。多くの選択肢がある中で自分らしさを大切にしていたり、流行や自分が好きな人を参考にしてメイク選びをしている人がいることがわかりました。今後どのようにコスメの流行が移り変わっていくのか楽しみです。

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(連絡先)武庫川女子大学経営学部教授 高橋千枝子
※お問い合わせは経営学部ホームページ問合せからお願いします。

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(参考文献)
韓国メイクのトレンドが丸わかり!部分別に流行りをチェックして旬顔に | RAXY(ラクシー) (rakuten.co.jp) (閲覧日2024年9月6日)
ナチュラルメイクの正しいやり方。ベース~ポイントメイクのコツ、おすすめアイテムまで徹底解説! | 美容の情報 | 資生堂 (shiseido.co.jp) (閲覧日2024年9月6日)
バレエコアメイクの方法は?2024年注目の人気メイクを解説! | 美容情報サイト Beauty Web(ビューティーウェブ) (beauty-web.com) (閲覧日2024年9月6日)
【パーソナルカラー診断】イエベ・ブルベ別!自分に似合う“白”ウエディングドレスの選び方 | トキハナmagazine (tokihana.net) (閲覧日2024年9月6日)
@cosme OSAKA 公式ホームページ(閲覧日2024年9月9日)

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