武庫川女子大学 経営学部高橋ゼミ3年
岩元菜々子・植田穂乃花・松村瑠唯奈
1.はじめに
はじめまして、こんにちは! 武庫川女子大学経営学部の高橋ゼミです。
私たちは高橋千枝子先生のご指導の下、3年生12人で活動しています。
第3回レポートではまず、“Z世代の音楽事情”についての調査をし、発信していきたいと思います!
初めに私たちが行った調査の概要についてです。関西のZ世代がどんな音楽に興味を持ち、どんな楽しみ方をしているのかを知るために、私たちは関西に住むZ世代を中心にアンケートを実施しました。
【調査方法】
WEB調査(定量調査)
・調査期間:2023年8月9日~2023年9月10日
・居住地:関西圏中心
・性別:男性、女性
・年齢:10代~20代
・対象:中学生・高校生・大学生・短大・専門学生・社会人
回答者数:130名
2.Z世代に人気のある音楽ジャンルとは!?
◆好きなアーティストは何?
Jpop好きな方が多い印象です。ジャンルで分けてみると、一グループだけを推すというわけではなく、ロックバンドが好きな方は複数のロックバンドを、アイドル好きな方は他のグループも推している方が多いようです。幅広いジャンルを聴く方もおられます。
◆トレンドはKPOP!
KPOPも人気です。デビュー時から非常に完成度の高いパフォーマンスで、人気を博しています。キレのあるダンスに、何度も聞きたくなるような歌が特徴的です。また、ビジュアルも非常にレベルが高いです。
KPOPアイドルは、練習生期間が平均3〜4年で長く辛いことで有名です。そのような要因も、高いパフォーマンスに繋がっているのではないでしょうか。
日本で特に有名なグループにBTSがあります。彼らはSNSにも力を入れており、ファンとコミュニケーションを取ることを欠かせません。個人のアカウントだけでなく、グループのアカウントがあることにより、チーム全体を知ることができます。
また、Z世代が選ぶトレンドランキングでは、アイドル編で1位が『なにわ男子』2位が『TWICE』3位が『Snow Man』という結果になっており、トップ10には、KPOPアイドルが5組も入っていることから、その人気さが伺えるのではないでしょうか。そして、アーティスト編では、1位が『YOASOBI』2位が『優里』3位が『Saucy Dog』という結果になっています。
(出所)『Z世代が選ぶ2023年上半期トレンドランキング』をZ総研が発表! | 株式会社N.D.Promotionのプレスリリース (prtimes.jp)
そして、私たちが130名にアンケート調査をした中で(複数回答)多かったアーティストは
・あいみょん 15名
・Saucy Dog 7名
・back number 8名
・Mrs. GREEN APPLE 8名
・YOASOBI 5名
などが上げられました。
あいみょんさんが多いのは、女子大だからなのではないでしょうか。
◆昭和平成の名曲がZ世代にバズっている!?
TikTokやInstagramといったSNSがきっかけで80・90年代の曲が再び流行しています。音楽に踊りを付けた動画で瞬く間に広がりました。令和の曲と比べ歌詞が聞き取りやすくわかりやすいものも多いです。例えば、広瀬香美さんの「ロマンスの神様」にタイガさんが振付をつけたものがあり、「TikTok2022上半期トレンド」大賞受賞されました。
3.音楽の聴き方の特徴
◆移動中にミュージック♬
「1週間にどのくらい音楽を聴きますか?」という質問を行ったところ、約8割の人が『毎日』と回答しました。週に2〜3回という回答も含めると、実に9割以上の人が日常生活に音楽が欠かせない状況となっており、また、音楽を聴くのは移動中が1番多く、約9割の人が回答しています。実際に、電車や歩道でもイヤホンをしている人は多く見られます。
◆CDorサブスク?
何にでもスマホなどのデジタルデバイスを利用するZ世代は、音楽を聴く時もサブスク(サブスクリプションサービス)を利用します。実際にアンケート結果からも、Z世代の8割以上の人がCDよりもサブスクを利用して音楽を聴いていることがわかります。
そもそもサブスクとは…?
音楽サービスなどでよく耳にするサブスクとは、「定期購読」を意味する「サブスクリプション」の略称のことで、毎月一定額を払うことで音楽が聴き放題になったりと、手軽に利用できるサービスのことです。
4.ライブ・フェスについて
◆どのくらいお金かけてる…?
実際にアンケート調査では、「ライブ・フェスに行ったことがあるか?」という質問に対して約8割の人が行ったことがあると回答していました。サブスクで聴く音楽よりも、アーティストに生で会い、その場で楽しむ環境を求めていることが分かります。また、年に1〜2回ライブやフェスに行くという人が約6割と1番多く、3〜5回行く人も2割を占めていました。そして、それらにかける金額は1万円〜1万5000円が最も多く、次に5000円〜1万円、1万5000円〜2万円という結果になっています。フェス別年代比率調査のグラフを見ても、Z世代にあたる20代が最も多く、音楽にお金を費やす人は多いと考えられます。
アーティストによって金額は異なりますが、国内アーティストのチケット相場は、8000円〜1万円前後です。一方で、K-POPなど海外のアーティストは日本のアーティストよりも高めの金額となっており、2024年の2月に東京ドームで開催される、“Taylor Swift”のSS席チケットは3万円、A席でも1万8800円です。また、チケットだけにお金をかけるのではなく、その公演限定のグッズを購入し、楽しむ人が多いと考えられます。
(出所)https://skiyaki.com/contents/482459
◆何を楽しんでいるの?
コロナ対策の制限が緩和され始め、2023年の夏フェスだけでも「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「RISING SUN ROCK FESTIVAL」「SUMMER SONIC」など様々な場所でコロナ以前のフェスの様子が戻りつつあります。そんな中、Z世代は何を求めてライブやフェスに行くのでしょうか?調査を行ったところ、『アーティストに会うため』と回答した人が最も多く、続いて『曲を聴くため』『その場の雰囲気』をライブやフェスに求めて行くことが分かりました。
特にフェスでは、目当てのアーティスト以外のライブを聴けたり、フェスならではの『フェス飯』があったりと、アーティスト単独のライブに比べて、自由度が高く、その場の雰囲気を楽しむことができます。
(出所)ゼミ生友人撮影
一方で、アーティスト単独のライブは屋内で行われることが多く、炎が出る演出や、ペンライトを使った会場の一体感が魅力の1つとなっています。フェスとは違い、コアな曲も聴くことができ、また、写真撮影OKのアーティストもいたりと、ライブの楽しみ方は様々です。
(出所)ゼミ生友人撮影
「関西以外でどこにライブ・フェスに行ったことがありますか?」という質問に対しては、関東に行ったことがあると回答した人が1番多く、約7割の回答がありました。やはり『東京ドーム』や『横浜アリーナ』、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』など、大きな会場が多数あることが理由の1つと考えられます。また、ライブのツアーファイナルの会場となることが多く、それ目当てに遠いところまで足を運ぶ人も多いのではないでしょうか。
◆フェス最多出演回数は…?
今年はコロナ禍の規制も少なく、コロナが始まる以前のような形で開催されたフェスが多く、Z世代の大学生で初めてフェスに行ったという人も多いと考えられます。実際に、7月〜9月の間でも50以上の音楽フェスが開催されました。そんなフェスにどのアーティストが1番多く出演したのでしょうか…それは…『10‐FEET』です!16回という出演回数でダントツの1位になりました。特に話題となったのは2022年に公開された映画 『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング曲『第ゼロ感』です。様々なフェスでトリも務めており、今後の活躍も期待されます。
◆ゼミ生フェス・ライブの1日
(出所)ゼミ生作成
5.オタ活はするの?
◆ファンクラブに入っているの?
ライブ・フェスに行ったことがあると回答した人に、「ファンクラブに入っていますか?」とアンケートをしたところ、約8割の人が「入っている」と回答しました。また、ファンクラブは、『1つ』だけ入っている人が約6割と1番多く、次に『2つ』と回答した人が約3割いました。ファンクラブに入ると、会員限定のライブや、優先的にチケットを購入できるなど、よりアーティストに会い、楽しむ機会が増えます。そういう点でファンクラブに入る人が多いのではないでしょうか。
◆オタク友達はいる?
オタ活をしたことがありますか?という質問には、7割の方が「はい」と答えられました。
SNSのオタク活動専用アカウントを持っていますか?という質問には、6割の方が「はい」と回答。
SNSを通じて知り合ったオタク友達は半数の方が「いる」と回答されました。専用アカウントを持つことで、同じ趣味を持つ方と気軽に繋がることができるのではないでしょうか。そして、そのオタク友達と実際にライブに行ったことがある方も半分おられました。Z世代は、ネットで知り合った人と実際に会うことに抵抗がある人が、あまりいないのかもしれません。
6.まとめ
Z世代の音楽の在り方を見てきましたがいかがでしたでしょうか。Z世代にとって、音楽は日常生活の一部であり、音楽を楽しむためにはお金を使うことが分かりました。ライブ・フェスに行く、TikTokから音楽を知る、毎日イヤホンで音楽を聴くなど、楽しみ方はそれぞれです。ファッション編でもそうですが、トレンドの入れ替わりは激しいと考えられます。今後どのような『曲・アーティスト』が注目されるのか楽しみです。
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(連絡先)武庫川女子大学経営学部教授 高橋千枝子
chietaka★mukogawa-u.ac.jp(★を@に変更してお送りください)
【武庫川女子大学】
兵庫県西宮市にある、2024年4月より12学部20学科となる大学・短大を合わせ約1万人の女子学生が学ぶ、日本最大の女子総合大学。多種多様な学びが特長で、高い専門性と幅広い教養を身に付けて、自らの意志と行動力で可能性を拡げ、生涯を切り拓いていく女性をめざす。
(武庫川女子大学HP:https://www.mukogawa-u.ac.jp/index.html )
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