武庫川女子大学 経営学部 高橋ゼミ 3年
赤石幸稀乃・植田早耶・田淵未来
1.はじめに
はじめまして、こんにちは! 武庫川女子大学経営学部の高橋ゼミです。
私たちは高橋千枝子先生のご指導の下、3年生12人で活動しています。
第2回の記事ではまず、Z世代女子のファッションについての調査をし、発信していきたいと思います!
今回私たちはZ世代のファッションについてリサーチを行いました。まずWEB上で105人のZ世代にアンケートをお願いし回答していただきました(10代13人、20代92人)。そこでアンケート結果を分析していきたいと思います。
【調査方法】
WEB調査(定量調査)
・調査期間:2023年7月15日~9月19日
・居住地:関西圏中心
・性別:男性、女性
・年齢:10代~20代
・対象:中学生・高校生・大学生・短大・専門学生
回答者数:105名
2.Z世代のファッションにおける消費行動
◆Z世代の服の購入頻度
まず初めに服の購入頻度について見ていきたいと思います。InstagramやTiktokなどのSNSが普及している現代では、自分でコーディネートを考えなくてもネットで検索すればすぐに出てくる時代です。そのような現代を生きるZ世代は、ファッションへの興味が大きいのではないでしょうか?
まず、どのくらいの頻度で服を購入しますかというアンケートに対しては、『1カ月に1回程度』(63.1%)と答えた人が最も多く、続いて『半月に1回』(14.6 %)、『1週間に1回程度』と季節の移り変わりなどに関わらず、服を購入している人が多いことが分かりました。その中でも、季節の変わり目の月には『1カ月に3回程度』服を購入するといった声や『半年で1,2回』などといった声もあり、Z世代の中でも個人差があることが分かります。
◆1カ月で服にかけている金額は〇〇円?!
2-1では、Z世代の服の購入頻度について見てきましたが、1カ月でどれくらいの金額をファッションに費やしているのか予想できますか?ではその予想が当たっているのか、確認していきましょう。先述したアンケートに回答していただいた103名のZ世代の方々に、1カ月で服にかけている金額に関しての調査も行ったところ、以下のような結果が得られました。
一番多くの方が回答していたのは、3,000円〜5,000円であり、次に多かったのが5,000円〜7,000円と、1カ月で5,000円程度のお金をファッションに費やしている方が多いことが分かりました。また、1カ月で8,000円以上ファッションに費やすと回答した方も20人程度いることから、ファッションに興味があるかどうかや各個人の給料などによって、費やす金額も変わってくるのではないかと考えられます。
◆Z世代の服を買う手段はネット?店舗?
次にZ世代の服の購入手段について見ていきたいと思います。デジタル化が進んでいる現代、Z世代はネットで服を購入しているのではと思う人は多いのではないでしょうか?しかし、Z世代103名にアンケートを取ったところ103人中69人の67%がネットではなく実際に店舗で服を購入していることが分かりました。ネットでの服の購入は店舗での購入と比べて、実際に服の生地に触れてみることが出来なかったり、自分の体とサイズが合わないなどのデメリットがあげられます。
◆Z世代はどこで服を購入する?
Z世代はどこで服を購入しているかご存じですか?Z世代が店舗で服を購入する際によく利用する店舗はどこかというアンケートでは、ZARA、UNIQLOとローリーズファームと回答した方が多かったです。反対にネットで服を購入している人はZOZOTOWN、GRL、SHIENを利用している人が多いということが分かりました。ZOZOTOWNでは先ほど店舗で服を購入する際によく利用する店舗にも挙げられていたローリーズファームの服も購入することが出来ます。GRLはトレンドのアイテムが何でも手に入る日本最大級のファストファッション通販サイトです。実店舗を持っていないためコスト削減ができ、私たちは安価で服やファッション雑貨を購入することができます。そして、SHIENは世界のZ世代に豊富なトレンドアイテムを激安で提供しています。これらのようにGRLやSHEINのようなネット通販は実店舗を持つ店舗よりも低価格で服やファッション雑貨を購入できるため利用しているZ世代は多いですが、普段実際に店舗で服を購入している人のほうが多いということがこのアンケートから分かります。
3.Z世代ファッションの特徴
◆Z世代は何を重視して服を選んでいる?
次にZ世代が服を購入する際に重視していることについてみていきたいと思います。「服を選ぶ際に最も重視していることはなんですか?」というアンケートでは回答者の半数がデザインを重視していることが分かりました。そしてその服が自分に合うかどうか、価格の順に回答する人が多かったです。Z世代はトレンドに敏感であるものの自分に似合う服をよく購入していることがこのアンケートから分かります。
◆自分に似合う服の選び方は?
Z世代は自分に似合う服を良く購入しているとありましたが、どのように自分に似合う服を選んでいるのでしょうか?自分の好きなデザインの服をひたすら店舗で試着してみるという方法もありますが、近年では骨格診断やパーソナルカラー診断という方法があり、診断の結果から自分に合った服のデザイン、色、形を導き出すことができます。
骨格診断とは持って生まれた体の質感やラインの特徴から自分自身の体形を最も綺麗に見せるデザインや素材を知るための診断であり、一般的に広く知られている骨格診断として骨格ウェーブ、骨格ストレート、骨格ナチュラルに分けられる3タイプ骨格診断が挙げられます。
パーソナルカラー診断とはその人の肌、瞳、髪の色などから似合う色味の傾向を知ることができる診断であり、メイクをする際にも参考にされる診断です。これらの診断はプロに診断してもらうこともできますが、ネットで気軽にセルフ診断ができる他、自分自身の骨格や似合う色を公表して、コーディネートを投稿しているインスタグラマーやYouTuberなどもたくさんいます。Z世代はこのような情報を参考にしながら自分に似合う服を研究していると考えられます。
https://trilltrill.jp/articles/2943643
https://mari-colore.co.jp/media/personal-color/
◆ファッションの情報収集手段は〇〇?!
Z世代がファッションに関する情報をどこから仕入れているのか知っていますか??『SHIBUYA109 lab.』がSHIBUYA109 lab.独自ネットワークに所属するaround20(15〜24歳)のZ世代を対象に、「Z世代のファッションに関する調査」を行いました。その中で、ファッションに関する普段の情報収集とファッションアイテム購入時の検索方法についても聞いてみたところ、普段の情報収集では、1位「Instagram(83.4%)」、2位は同率で「動画配信サービス(40.5%)」、「友達・家族(40.5%)」、3位「TikTok(33.7%)」となりました。
一方、購入時の検索方法では、1位「Instagram(47.8%)」、2位「通販サイト(45.9%)」、3位「ブランド公式HP・SNS(41.5%)」となりました。これらの結果から、普段の情報収集においては、Z世代はファッション雑誌などで情報収集するのではなく、日常的に利用するInstagramやTiktokなどのSNSを活用して情報を取得していることが分かります。購入時の検索方法に関しては、通販サイトやブランド公式HP・SNSなどがあがってきていることから、購入時の検討材料として商品の詳細(サイズや価格など)を求めていると考えられます。
(出所)PRTIMESホームページ『Z世代のファッションに関する意識調査』より
◆コーディネートの決め方は?
Z世代は何を参考に毎日コーディネートしているのでしょうか?アンケート結果からZ世代はSNSを参考に毎日服をコーディネートしていることが分かります。SNSの中でも一番多く挙げられるのはInstagramです。Instagramでは、例えば「#韓国ファッション」のように検索すると約719万件の投稿が出てきます。これらの投稿などを参考にしてコーディネートしているZ世代が多くいるということが分かります。次にSNSの中でも多かったのがTik Tokです。Tik TokはInstagramの投稿とは違って動画が流れます。なので実際に参考にしたい服装などをよりリアルに見つけることが出来ます。そして次に多かったのはお店のアプリです。ドットエスティというブランドを例に挙げるとStaff boardという自分の好みや体形に似ているスタッフを見つけることができます。そして、そこから好みのスタッフさんのコーデを参考にすることもできます。レビュー動画もあるためよりリアルに参考にした衣服や買ってみたいと思う服について知れる機会にもなります。このようなアプリはInstagramの投稿とtik Tokの2つの機能が1つになっていてZ世代にとってとても参考になるアプリといえます。
(ドットエスティ公式アプリ) (Instagram) (Tik Tok)
(出所).stホームページ『.stライブショッピング』より
◆困りごと
Z世代の方々に服を選ぶ際に困ること(複数回答可)について聞いてみると、このようなアンケート結果が得られました。1番多くの人が困っているのは、組み合わせが分からないということです。また、服のレパートリーが少ないことや同じような服ばかり買ってしまうことも困りごととして挙げられています。このことから、自分で服の組み合わせを考えることが難しいということが考えられ、上記のようにInstagramやTiktokなどを活用してコーディネートを考えている人が多いことが分かります。
4.Z世代のファッショントレンド
◆ずばり今流行っているファッション(トレンド)は何?!
Z世代はトレンドに敏感であるというイメージがあるのではないでしょうか。そんなトレンドに敏感なZ世代の方々に「今流行っているファッション(トレンド)」について、自由記述方式で聞いてみたところ、このような回答が集まりました。多くあがっていたのは、「カーゴパンツ」「Y2Kファッション」「ポロシャツ」「韓国系ファッション」「古着」「シースルー・シアー」などであり、様々な商品がZ世代のトレンドとして流行していることが分かります。
◆Y2Kファッションとは?!
Z世代に支持されているY2Kファッションとは一体どのようなものなのでしょうか。Y2Kは「ワイ・ツー・ケー」と読み、「Y=Year」、「2K=2000年(Kは1000を表す)」の略語にあたります。つまり、Y2Kファッションとは2000年代に流行したトレンドを取り入れたファッションのことをさします。
Y2Kファッションの人気は韓国から日本へ波及したのではないかと言われています。世界的に人気のあるK-POPガールズグループがMVの衣装としてY2Kファッションを取り入れたことで、日本のZ世代にも浸透していったと考えられます。Y2Kファッションの流行はレディースだけではなく、メンズにも広まりつつあるとも言われています。
日本でのY2Kファッションの特徴としては、クロップド丈のトップスやショートパンツなどのヘルシーな肌見せファッション、トラックジャケットやシャカパン(=ナイロン素材のパンツ)などのスポーティーな着こなし、厚底スニーカー・ブーツ・サンダル、ポップなカラーのアームカバーなど存在感のある小物を用いたコーディネートなどが挙げられます。
※ゼミ生撮影
◆ポロシャツ人気再燃中!!
今年の夏、Z世代の間でポロシャツブームが再来していたことを知っていますか??夏のカジュアルトップス界はTシャツが長らく君臨していましたが、それを脅かす勢いでポロシャツ人気が高まっています。
ポロシャツの出自は、1933年、テニスプレーヤーのルネ・ラコステによって生まれたスポーツウェアです。ですが、日本では、“おじさんの休日服”と揶揄される不憫な時代もありました。しかし、今現在はファッションシーンに蘇っており、とても興味深く感じませんか??
「現在のブームは、アメリカのストリート由来だと感じます。90年代のラッパーやスケーターたちが当時、ゆるく着ていたスタイルが再注目されています。ポロシャツは、本来はタックインするためのウェアであると言われていますが、今はあえてビッグシルエットを選び、ワイドパンツにインするという着こなし方も流行しています。90年代に流行していた着こなし方で楽しむも良し、現代の感覚で着こなすのも良いという幅広い楽しみ方ができるところが特徴になっています。
次にZ世代に人気のポロシャツブランドを紹介していきます。人気ブランドとして挙げられるのは、ラルフローレン、フレッドペリー、トミーヒルフィガー、ラコステ、コムデギャルソンなどの有名ブランドです。この5つのブランドのポロシャツデザインを比較してみて、Z世代はシンプルなポロシャツを好んで着ているのではないかということが考えられます。
※ゼミ生撮影
◆系統
上記のトレンドの他にもきれいめ系、カジュアル系、ガーリー系、古着系、地雷系、淡色系などがあり、Z世代はファッションを「系統」に分けコーディネートを楽しんでいます。
しかし、「服の系統にこだわりはありますか」という質問に対して「はい」と答えた人は36.9%、いいえと答えた人が63.1%という結果になり、服の系統自体は沢山あるものの意外に皆がそういうものにこだわってるわけではないということもアンケート結果から分かりました。
◆Z世代に人気のブランド3選!
Z世代が好むブランドはどのようなブランドなのでしょうか?アンケート結果よりZ世代の好きなブランドのトップはUNIQLOであることが分かりました。Z世代はSDGsに対する意識が高い傾向にあります。UNIQLOでは、服から服へのリサイクルを目指し、全商品をリサイクル、リユースする取り組み「RE.UNIQLO」を勧めています。このようにSDGsへ取り組んでいることや比較的低価格で服を購入することが出来るUNIQLOはZ世代に人気であると考えられます。2番目に人気のブランドはGUです。GUは店舗販売だけではなくオンラインでも販売を行っており非常に便利になっています。実際に店舗に行く手間が省けたり、GUのアプリで簡単に商品を見ることができます。ネットをよく使うZ世代にとってスマホひとつで、低価格そしてお洒落な服を購入することが出来るGUは人気であることが分かります。最後に3番目に人気なブランドはniko andであることがアンケート結果から分かりました。niko andはナチュラル系の服を販売しているブランドです。どんな人でも似合うようなシンプルなデザインが人気を集めているのではないかと考えられます。
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/about/
◆Z世代のトレンドに対しての考え方
様々なトレンドを生み出しトレンドには敏感そうなイメージのあるZ世代ですが、最近のファッションに対しての考えを自由に記述してもらったところ、トレンドの服を着ていると街中で他の人と服が被って気まずい、トレンドは移り変わりが激しすぎて追い付けない、そもそもトレンドに興味がない、知らないという意見も多々ありました。
また、上記で紹介したGRLやSHIENなどは比較的低価格でトレンドの服が手に入るため利用する人が多く、服が被りやすいという問題の他、どこで買った服なのか、どのくらいの値段の服なのかがばれてしまうということも多いようです。
5.まとめ
ファッションスタイルが細分化され、トレンドが入れ替わるスピードが早く、SNSなどで様々な情報を得られるZ世代ですが、トレンドを追う人、追わない人、服にかける時間やお金、服を買う時の手段は多種多様で、型にはまらず「自分らしさ」や「個性」を大切にしている人が多いと考えられます。
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Z世代女子によるZ世代女子のマーケティングレポートです。Z世代女子視点のリサーチや商品開発、モニター調査等にも協力しています。ぜひご相談ください。
(連絡先)武庫川女子大学経営学部教授 高橋千枝子
chietaka★mukogawa-u.ac.jp(★を@に変更してお送りください)
【武庫川女子大学】
兵庫県西宮市にある、2024年4月より12学部20学科となる大学・短大を合わせ約1万人の女子学生が学ぶ、日本最大の女子総合大学。多種多様な学びが特長で、高い専門性と幅広い教養を身に付けて、自らの意志と行動力で可能性を拡げ、生涯を切り拓いていく女性をめざす。
(武庫川女子大学HP:https://www.mukogawa-u.ac.jp/index.html )
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