学びについて
- A
- 経営学は、営利・非営利のあらゆる組織をよりよく運営するために必要な知識をまとめた学問です。そのため、企業だけでなく、国や地方自治体、学校、病院、NPO、家庭なども運営の対象になります。主に大規模な企業組織を運営するために発展してきた知識が、今では他の分野にも展開されています。
- Q
- 経営学は経済学や商学とはどのように違うのですか?
- A
- 経営学は組織の運営に関する知識ですが、経済学は経済や経済活動の仕組みに関する知識で、商学は商業取引や商品の流通に関する知識です。経済学においては企業の内部は研究対象ではなく、企業が消費者・市場とどう関わっているかが研究対象ですが、経営学は企業の内部も研究対象です。商学は数百年前から存在している学問で、農産品や手工業品が取引の中心だった時代から続いています。一方の経営学は百年近く前に登場した学問で、大量生産を行う大規模組織をどう管理するかを主な研究対象として発展しました。多くの大学では経営学部に商学の内容も含まれ、商学部に経営学の内容が含まれています。本学の経営学部においても商学の内容は含まれています。
- Q
- 経営学部で身につける知識は、将来どんなところで役に立ちますか?
- A
- 経営学は企業だけでなく、国・地方自治体、学校、病院、NPO、家庭など、さまざまな組織を運営するための知識です。そのため、国内外のいろいろな企業や組織で働くときに役立ちます。また、自分で起業するときにも役に立ちます。
- Q
- 武庫川女子大学経営学部ではどのような学生を育てますか?
- A
- 本学経営学部では、組織を経営するだけでなく、自分も経営できる人を育て、卒業生が自分のキャリアを生涯にわたって“しなやかに”構築してくれることを願っています。そのために、グローカルな視点(グローバルな視点とローカルな視点の両方)を持って、自分の周りにいる多くの人たちと連携しながら、ビジネスの現場で活躍できる女性を育成したいと考えています。
- Q
- 他大学の経営学部と比べて,武庫女の経営学部の特長は何ですか?
- A
- 日本の女子大学で唯一の経営学部としてスタートしたことと、女性の仕事やキャリアを念頭に置いて教育がなされることが最大の特長です。これらは、共学大学の経営学部では十分にはできないことです。共学大学の経営学部は、多くの男性が目指してきたような新卒で就職して、年功序列で昇進し、キャリアの中断がなく一つの会社で勤め上げる終身雇用を前提に教育がなされています。しかしながら、女性にはこの前提が当てはまりません。将来の出産・育児や配偶者の転勤、親の介護などによるキャリアの中断を見据えて、復職や転職、もしくは起業も含めた多様なキャリア設計を考えておく必要があります。そのため、学生時代にはそれを前提にして、その支えとなる経営学に関する幅広い知識と卒業後すぐに活躍できる実践力を習得することが重要になります。
- Q
- 武庫川女子大学経営学部の学びには他に特長はありますか?
- A
- 学びの大きな特長には、スタディーズ(学びの分野)制と実践学習の二つがあります。
- A
- 一般的なコース制とは異なる枠組みです。コース制では授業科目をコースごとの分けて用意しているため、あるコースに学生が所属すると、他のコースの授業はあまり取れないということが一般的です。これに対して、スタディーズ制は、学習内容の分類は行っていますが、どの学生も分野を横断的に履修できます。具体的には、数多くの授業科目を3つのスタディーズに分けて整理していますので、すべての学生に、経営学の学びを基本にして、グローバルな視点とローカルな視点が身に付くように工夫されています。どの科目がどの分野のものなのかをわかりやすく分類しているので、自分が中心に学びたい分野の科目を選択しやすくなっています。
- A
- 卒業後の進路に対応した3つのスタディーズがあります。まず、すべての学生にとって基本になる学びの分野がビジネス・デザイン・スタディーズです。ここでは組織の運営に必要とされる経営学の中心的な授業科目がまとめられています。学びの基本分野といえます。これに対して、グローバル・マネジメント・スタディーズは、将来、国際的に活躍できる学生を育てるために、ビジネス社会で活用できる英語能力や国際的な経営知識、国際感覚などを習得する授業科目がまとめられています。本学アメリカ分校での授業科目や提携するゴンザガ大学(バスケの八村塁くんで有名になりました)での授業科目もこのスタディーズになります。また、パブリック・マネジメント・スタディーズは、将来、地方自治体や地方企業、NPOなど地域社会で活躍できる学生を育てるために、地方創生や公共経営を学ぶ授業科目をまとめています。特に、地域社会を担う公務員を目指す人にとって重要な学びがこのスタディーズに揃っています。
- Q
- パブリック・マネジメント・スタディーズの内容がわかりにくいです。
- A
- パブリック・マネジメント・スタディーズは、ローカルな視点を重視する学びの分野です。地域に根差した企業経営や地方自治に関連する制度や施策、地域の中小企業、非営利組織などについて学び、地域社会で活躍できる力を理論的・実践的に養成します。現代では、環境問題や少子高齢化、地域格差、介護・福祉など、さまざまな社会的な課題について幅広い視点から考える必要があります。
- Q
- 将来の職業やキャリアを考えるのに参考になる授業はありますか?
- A
- 早期(1年後期)に「キャリアデザイン特講Ⅰ」を開講して、実際に社会で活躍している女性から、仕事内容やキャリアの築き方、家庭やプライベートとの両立など、実体験を学ぶことで、自らのキャリアプランや学生生活の過ごし方を深く考えます。この講義には、様々な社会経験を持った女性教員だけでなく、一般企業で活躍する女性、地方自治体で活躍する女性、NPOで活躍する女性、起業家として活躍する女性など、多様なフィールドから、学生がロールモデル(将来のお手本)にしやすい女性を招いて講義をします。女性のキャリアに焦点をあてたこうした講義は共学では提供されない、女子大ならではの講義です。さらに、3年後期には、地域社会や企業の経営課題に即した実践的な仕事内容を学ぶ「キャリアデザイン特講Ⅱ」を開講し、就職活動への具体的準備を促します。このように、早期から社会との接点を持つことで、社会・企業の仕組み、働くことの意味、キャリア設計への関心を持たせ、柔軟なキャリア形成ができる“しなやかさ”を身に付けることを狙いにしています。
- Q
- 企業の経営者や社会で活躍する人から学べる機会はありますか?
- A
- (前述の)「キャリアデザイン特別講義Ⅰ」や「キャリアデザイン特別講義Ⅱ」を通じて多くの社会人から学ぶことができます。他にも校舎3階に、企業の経営者や社会人が立ち寄れるビジネスラウンジを設けており、そこで学生と交流できるようにしています。また定期的にミニセミナーを開催し、企業の経営者や社会人に仕事内容やキャリアについて話をして頂きます。講義以外にも、社会で活躍する人から直接学べる機会が沢山あります。加えて、各分野のエキスパートの方々が教員におりますので、直接教員からも実社会について学ぶことができます。
MUSCへの短期留学について
- A
- 武庫川女子大学は、米国ワシントン州スポケーン(シアトルから比較的近い)に英語学習のための分校として、ムコガワ・フォート・ライト・インスティテュート(MFWI)という施設を持っています。教室だけでなく、図書館、日本文化センター、寮や食堂もあって、日本人の職員もいます。近隣の女子大学生によるRA(レジデント・アシスタント)も留学生を支援してくれます。経営学部では、2年後期の4か月間にこの環境で学ぶ留学プログラムを用意しています。ここでは米国人教員がリスニング、ライティング、カンバセーションの3科目を教え、近隣の名門ゴンザガ大学経営学部の米国人教員がミクロ経済学、会計、財務の3科目を教えます。英語「を」学ぶだけでなく、英語「で」ビジネスを学ぶことも行い、将来の国際的な活躍の基礎となる英語力を養います。
- A
- 留学にかかる追加費用は、旅費、寮費、食費の4か月分のみです。授業料は、日本で学ぶ際の授業料をそのまま充当するので、追加はありません。旅費と滞在費だけで米国で勉強できるのは、お得です。
- A
- 留学直前にあたる2年生の6月-7月にTOEICで500点(できれば600~700点)を目指すレベルを期待します。ただし、これに満たないレベルであっても留学は可能ですので、これを機会に英語の勉強を頑張るぞ、という人も積極的にチャレンジしてください。
実践学習について
- A
- 社会人として求められる、主体性、実行力、課題設定・解決能力、協調性などを身に付けるために、学内及び学外組織と連携したビジネス社会についての実践的な学習です。インターンシップ、サービスラーニング、フィールドワークの3科目から構成されます。インターンシップは、企業・団体等での就労体験を通じて、大学での教育を社会での就労体験と結びつける学習です。サービスラーニングは、地域での奉仕活動への参加や地域における社会貢献活動への参加を通じて、市民性を育成する学習です。フィールドワークは、調査対象となる地域や社会に出かけ、観察や調査、体験を通じた学習です。この実践学習で期待される成果は、将来ビジネスパーソンとして必要な知識・態度の習得や様々な課題に臨機応変に対処できる実践力の習得ですが、それ以外にも、講義等で学んだ内容と実社会での経験を結び付け学習効果や学習意欲を高めること、自分の関心や適性を把握し早期にキャリアプランを描くこと、なども期待できます。
- Q
- 実践学習をする自信がありません。大丈夫でしょうか?
- A
- 実践学習は、学生の主体的な活動を前提としていますが、経営学部には「実践学習センター」がありますので、実践学習に関する様々な情報提供や相談などのサポートが受けられます。また、経営学部の教員は各自の得意分野やネットワークを公開し、学生からの実践学習の情報収集や企画への相談に個別に丁寧に対応します。また、1年前期に必修科目として「実践へのいざない」を開講し、実践学習の目的や期待される成果、情報収集や企画、進め方などについてしっかりと講義を行い、1年後期からの実践学習をサポートしますので、全く心配ありません。
- Q
- インターンシップはどのようなものがありますか?
- A
- インターシップは国内外の民間企業、官公庁、自治体、非営利組織、コミュニティ等でのインターンシップ(就労体験)を通じて、実社会の課題を学ぶと同時に、自分の適性や能力を理解することと、学外での体験を大学での学びにも活かすことを狙いとしています。一定期間連続して企業・団体等で就労するものだけでなく、連続就労を必要とせずビジネス社会の課題解決に取り組むビジネスコンテスト等への参加も含まれます。具体的には、民間企業が募集する国内外インターンシップや、民間企業・団体が主催する学生ビジネスコンテスト、民間企業・団体が主催するハッカソン(アイディアコンテスト)、官公庁やNPOが募集する国内外インターンシップがあります。
- Q
- サービスラーニングはどのようなものがありますか?
- A
- 学生は社会人として、市民として、地域と結びつき、さまざまな職場や地域住民と協働することで、新しい視点を得ると同時に、多くの課題にも直面し、それに対処しながら経験を培い、大学に戻ってその経験を振り返りながら、学習としての成果にまとめます。具体的活動には、NPOが募集するボランティア(子供食堂、障がい者支援、自立支援など)、海外留学中の現地ボランティア(食事支援、自立支援など)、復興支援・地域支援ボランティアなどがあります。
- Q
- フィールドワークにはどのようなものがありますか?
- A
- フィールドワークは、調査対象となる地域や社会に出かけ、観察や調査、体験を通じた学習です。具体的活動には、地方自治体の町並みのリサーチ、地域の観光資源の調査、海外留学中の現地産業調査、特定テーマの消費者インタビュー調査などがあります。例えば働くお母さんを対象とした子育て実態調査、高齢者を対象とした行政サービス満足度調査などが考えられます。企業・組織から依頼されて実施する場合もあれば、自分達でテーマを考えて活動する場合と両方があります。
資格・就職について
- Q
- 経営学科で学んで、どんな資格が取得できますか?
- A
- 特定の資格を取得することを前提としたカリキュラムではありませんが、学科で学んだことが資格試験の受験に役立ちます。学科ではビジネスに関して幅広く学ぶので、公認会計士、税理士、簿記検定、中小企業診断士や社会保険労務士、販売士、ファンナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント、統計士などの資格試験を目指すことができます。また、アメリカ分校への留学を通じて英語でビジネスを学ぶ機会もあるので、米国公認会計士を目指すこともできます。他にはITパスポート試験やMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)などのIT系資格や、TOEIC・TOEFL・英検などの英語系資格の資格試験にも役立ちます。
- A
- ビジネス・デザイン・スタディーズで主に学んだ学生は、美容・アパレル・食品など女性の視点が生かせる業種や、金融・保険、教育、観光娯楽、情報通信サービスなどの企業が考えられます。グローバル・マネジメント・スタディーズで主に学んだ学生は語学力や国際性の知識を活かして、日系企業の海外部門・海外現地法人、外資系企業、旅行会社などが考えられます。パブリック・マネジメント・スタディーズは公務員(地方自治体や国家公務員)、国内外のNPO、地域優良企業などが考えられます。