佐藤薬品工業株式会社
経営企画部
須山 菜月(1期生・2024年3月卒業)
https://www.sato-yakuhin.co.jp/
経営企画部の土台を作るのが大切な仕事
−−勤務先の事業内容を教えてください。
主な事業は大手製薬会社の医薬品の受託製造です。最近は自社品(医薬品・サプリメント・化粧品など)の企画・販売事業の拡大を目指しており、国内だけでなくASEANを中心に海外販路への展開も進めています。
−−現在担当している業務を教えてください。
現在は経営企画部に所属し、主に広報活動を中心に担当しています。SNSやホームページの管理・更新作業を担当しています。また先日は、プレスリリースの発行や記者会見の段取り、記者対応の受付なども担当しました。それに加えて、経営判断に必要な財務指標を可視化するためのデータベース整備のほか、今年度からはHSE(健康衛生・労働安全・環境管理)推進活動の事務局を担当しています。
−−入社のきっかけを教えてください。
祖父が鉄工所を経営し、父もメーカー勤務だったので、BtoBの製造業に携わりたいと思い、最初は工作機械メーカーをはじめとする製造業の営業職を中心に就職活動をしていました。営業職を志望したのは「将来、経営層に近い部署で働きたいなら、まずは営業の視点から会社を知るべきだ」と考えたからなんです。でも、実家から通える範囲の兵庫県内や大阪府内の会社ばかり見ていました。
それが、ある合同説明会で、経営企画部を立ち上げたばかりで採用の有無すら決まっていなかった佐藤薬品工業の担当者と偶然出会い、採用していただいたんです。将来的に希望していた経営企画に携われるということで興味を持ちました。しかも、1年目から経営企画部に配属されて現在に至ります。
−−現在は「仕事のやりがい」をどんなところに感じていますか。
経営企画の仕事は、広報活動などで華やかに見えますが、本来は会社経営を裏で支える「裏方」の部署なんです。自分が作成を手伝った経営会議用の資料や集めてきた数字が適切な経営判断をもたらし、会社の成長を後ろから支えている、これが一番のやりがいですね。また、データベース整備では会社の仕組みを作りあげているという実感は大きなやりがいです。
−−大学での学びは仕事に役立っていますか。
まだ2年目なので、リアルに「役立った!」と思える瞬間はまだまだ(笑)。でも、業務が専門的になり、経営の深い部分に関わる業務が増えてくるのはこれからですから。それでも、会議で議事録作成を担当している際に「STP分析」や「DCF法」といった大学の授業で学んだマーケティングや財務分析の用語や内容が出てきます。こうした用語や内容をあらかじめ理解できていたことで、議事録作成もスムーズにできています。
また、最近はBtoC事業における販売戦略の見直しに取り組んでおり、大学で学んだフレームワークや理論を実務に活かす機会が少し増えてきました。
−−大学生の間に「やっておけば良かったこと」や「やっておいて良かった」と思うことはありますか。
「やっておけば良かった」と思うことは会計学でしょうか。経営に関連する数字を読むためにきちんと勉強しておけば良かったと少し後悔しています。あと、受験勉強の時はできていた「毎日コツコツ努力する習慣」を社会人になっても維持すれば良かったと感じています。資格取得を考えていますが、この習慣が消えてしまって苦労しています…。
逆に「やっておいて良かった」と思うのは、卒業直後の3月に行ったカンボジアへの一人旅です。入社直後の社内報の自己紹介に書いたところ、行き先が珍しかったからか、社内の多くの人に覚えてもらうことができました。また、一人で物事をやり遂げたことが、自信にもつながる貴重な経験となりました。
会社のDX化推進に積極的に貢献
−−社会人生活は大学生時代の想像とは違っていましたか。
大学生の頃は、社会人生活って残業が多くて帰るのが遅く、自分の時間がまったく取れないイメージを持っていました。残業があまりなく、勤務時間が8時15分から17時15分までなので、帰宅後も自分の時間がしっかり持てています。もうひとつは、2年目から本格的に経営企画部の仕事を任され、思っていたよりも早く、経営に近い位置で仕事に携われている点ですね。最低でも3年ぐらいは下積み期間があると思っていました。
−−逆に想像通りだった点はありますか。
仕事は与えられるのではなく、自分から手を挙げたり能動的に動かないといけない点です。「待ち」の姿勢では自己成長の機会が限られてしまうので、自分なりに仕事を見つけたり、作っていくことを意識しています。また、大きな企業ではないのでアナログな部分が残っている点もイメージ通りでした。その分、業務改善の余地があることも感じており、少しずつ効率化の提案なども行っています。
−−今後の目標を教えてください。
目下の目標は、今は会社の事業内容をしっかりと理解することです。将来は、全社的な事業戦略を構築するような立場となって、会社の成長に貢献するのが目標です。
−−後輩たちにメッセージをひと言お願いします。
実際に社会に出て実感したのは、豊富な実務経験を持つ先生から学べる環境って、実は素晴らしいということ。プロフェッショナルな先生たちからの学びは、教科書だけでは得られないことも多かったように思います。教科書だけじゃわからないことが学べる経営学部、おすすめですよ。
(2025.7取材)