
西口ゼミでは、5月ごろから日本最大のお菓子の卸売会社である、株式会社山星屋さんと一緒に「お菓子の新たな需要を生み出すための提案」をテーマに活動に取り組んできました。その活動の一環として、文化祭ではゼミ内で5つのグループに分かれて展示発表を行いました。具体的には、チョコレート、グミ・キャンディー、ポテトチップス、クッキー、おせんべい(米菓)の5種類のお菓子を題材とし、それぞれ異なる視点から企画を考案しました。この課題には長期間取り組んできたため、ゼミTシャツのデザインにも、この5種類のお菓子を取り入れたいと考えました。
ゼミTシャツは、私たちのゼミの明るく仲の良い雰囲気が伝わるよう、全体的に明るくポップなデザインを意識しました。Tシャツのカラーは西口ゼミのイメージカラーである明るいイエロー、デザインには「西口ゼミ」という文字とともに、研究室のメインテーマである「ブランド・コミュニケーション(brand communication)」という言葉を配置し、ゼミ活動における「学びと遊びの両立」を視覚的に表現しています。

デザインを検討する中で、お菓子のイラストを散りばめる案や、ゼミ名の周囲を囲む案など、さまざまなアイデアを出しました。その中で最終的に、Canvaのデザインを参考に、お菓子をキャラクター化し、並べる案を採用しました。このデザインにより、ゼミの一体感や親しみやすさも表現できると考えました。また、来場者の方にお菓子を身近に感じてもらい、興味を持っていただけるきっかけにつながることも意識しています。
今回のゼミTシャツの制作では、デザインツールやお絵描きアプリを活用しながら、ゼミメンバー同士で協力して進め、イラスト化から発注まで行いました。得意分野を生かし合いながら一つのものを作り上げる過程は、ブランド・コミュニケーションを学ぶゼミとして、「伝えたい価値をどのように表現し、共有するか」を実践的に考える貴重な機会となりました。
西口ゼミの活動と学びについて
先ほど述べた5つのチームそれぞれの活動と学びは以下の通りです。
チョコレートチーム
本活動では、シニア世代のお菓子の需要、女子大生の高カカオチョコレートに対する印象、さらに祖父母へ感謝を伝える際の行動などを調べました。贈り手・受け手それぞれの想いを理解することが、販売促進企画において“購買理由をつくる視点”につながると学びました。また、企画には参加者が主体的に関われる仕掛けを取り入れることで、より深い共感や行動意欲が生まれ、企画を「体験」として設計する重要性を学びました。

グミ・キャンディチーム
本活動を通して、グミ・キャンディー市場の動向や推し活文化、SNS上でのお菓子の活用事例、推し活シーンごとのニーズについて調べました。その結果、「どの場面でどんな価値を提供できるか」という視点が重要であると学びました。また、文化祭での商品棚制作を通して、商品の分類や配置、色使いなど売り場の見せ方が来場者の興味や理解に大きく影響することを実感しました。

ポテトチップスチーム
本活動では、「ノンアル飲料とお菓子の新しいペアリング提案」をテーマに、ノンアル市場の動向や健康的なお菓子との組み合わせに関するニーズを調査しました。文化祭でのアンケートでは、ノンアルと合わせたい味の傾向やシーンなど具体的な声を収集し、幅広い層のリアルな消費感覚を理解できました。また、山星屋さんが持つ卸としての情報発信力を活かすことで、新しいお菓子体験を生み出せる可能性を学び、企画に落とし込む難しさと面白さを実感しました。

クッキーチーム
本活動では、クッキーを友だちと分け合うことの価値や購買行動について調べました。これらを通して、クッキーは友だちとコミュニケーションをとるためのモノとして新たな需要を生む可能性があることが分かりました。また、購買行動では小売店での陳列方法が大きく影響していることが分かりました。これにより、汎用性の高いクッキーが「友クッキー」という新たな価値によって、さらなる購買モチベーションになると考えます。

お煎餅チーム(米菓)
文化祭で、おせんべいは消費者にとってどのような存在であるのかについて調べました。縁日をモチーフにしたゲームやアンケートなどから、おせんべいは予想以上に好まれており、食べる頻度も多いことが判明しました。しかし、「祖父母が食べる」「味が単一」といった固定観念や、購入頻度の低さ、他の菓子に比べて魅力が伝わりきっていないという現状も浮き彫りになりました。今後は、日常に選ばれる菓子としておせんべいにしかない魅力を広く発信したいと思っています。

武庫川女子大学の文化祭では、2日間で1,000人以上の方に私たちのゼミ展示会にご来場いただきました。ブース自体も、ゼミのテーマ通り「学びと遊び」に即したものになったと思います。制作を通して、学びを形にして発信することの重要性を改めて実感しました。
(3年 植村早紀、内村琴胡)

2025年度 第70回武庫川女子大学文化祭「共創―70年の夢を描く―」
西口ゼミ展示会場


