• 2025/02/22

    レポート&コラム

関西Z世代女子マーケティングレポート3rd Season 〜旅行編~

武庫川女子大学 経営学部高橋ゼミ3年
舩路和花 木村早希 荒巻七夏子

1.はじめに
はじめまして、こんにちは! 武庫川女子大学経営学部の高橋ゼミです。
私たちは高橋千枝子先生のご指導の下、3年生15人で活動しています。

第4回の記事では「Z世代の旅行事情」について発信していきたいと思います!

2.Z世代の旅事情
私たちはZ世代が普段どんな考えで旅行に関する消費行動を行っているのかというテーマをもとに、グランピング、ホカンス、エアビー、持ち物や予算、国内・海外での人気の旅行先、韓国旅行、旅行のモチベーション等について調査しました。 また、その他にも交通手段や、ツアーやアプリの利用度、宿泊先選定基準、旅行先に関する情報収集方法等のアンケートをGoogleフォームにて実施しました。

◆調査概要 総回答者数:103名
①Web調査(定量調査)
【調査方法】Googleフォーム
【調査期間】2024年8月7日(木)〜8月29日(火)
【回答者数】62名
【居住地】関西中心
【年齢】10〜20代
【対象】大学生・社会人

②Web調査(定量調査)
【調査方法】Googleフォーム
【調査期間】2025年1月17日(金)〜1月28日(火)
【回答者数】41名
【居住地】関西中心
【年齢】10〜20代
【対象】大学生・社会人

まず、Z世代とは?
Z世代とは、1990年代後半から2010年代初頭に生まれた世代を指します。主にインターネットやスマートフォンが普及した時代に育ったため、「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれます。情報収集やコミュニケーションにSNSを活用し、環境問題や社会的課題にも関心が高いことが特徴です。消費行動においては、個性や体験を重視し、倫理的な選択や持続可能性を求める傾向があります。

 1.Z世代の旅行のカタチ
Z世代にはさまざまな旅行のカタチがあります。そこで、テーマごとにアンケート調査を実施しました。

Z世代はグランピングをどのくらい利用している?

グランピングとは、「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、通常のキャンプに比べて、ベッドやシャワー食事などの設備が整っているため初心者でも快適に楽しむことができます。62人にアンケートを実施したところ、『はい(22人)』と、Z世代の3人に1人がグランピングを利用したことがあると回答しました。グランピングでは、花火・BBQ・サウナ・キャンプファイヤーなどのアクティビティを経験することができます。

グランピングが人気の理由として、SNSで「#自然界隈」がブームになったことが挙げられます。視覚的におしゃれで手軽にアクティビティを経験できるグランピングは、非日常への憧れやインスタ映え等に興味があるZ世代に人気なのです!

〇〇界隈って?
現在、Z世代を中心にSNSで「〇〇界隈」というワードが流行中です。「界隈」の辞書的な意味は、『そのあたりの一帯 例)新宿界隈』ですが、Z世代の間では『特定の趣味やその人の状況を一括りにする』ワードとして使われています。上記の自然界隈のほかにも「風呂キャンセル界隈」「美容系界隈」など、さまざまな界隈がありすべてを一括りにはできません。そのため、Z世代の中の小さなコミュニティに目を向けたプロモーションが必要だと考えます。

ホカンス女子


グランピングの他にZ世代女子に人気なホカンスについても調査しました。ホカンスとはホテルとバカンスを組み合わせた造語で、ホテルでの滞在自体を目的とした楽しみ方です。こちらも62人にアンケートを実施したところ、『したことがある(18人)』『したことがない(25人)』『初めて聞いた(19人)』という結果になりました。

最近では、ホカンスと意識せずとも、誕生日会やハロウィンパーティー、推し活などを行う場所として利用されており、多くの人がケーキやバルーン等用意して可愛い写真を撮りSNSにシェアしています。

◆持ち物・予算
持ち物はZ世代の旅行シーンの国内旅行、渡韓、推し活遠征の三つのシーンに合わせてチェックリストの形式で発信します!何が必要か見た瞬間わかり、準備の時短対策になります!

Z世代の旅行の予算は、一万円から五万円とする人が半数以上いました。

またアンケートからZ世代は旅費でどの部分にお金を費やすか取捨選択していることがわかりました。その内容は人によって様々でしたが、交通費や宿泊費、お土産代を節約する人が多かったです。

◆韓国旅行
韓国コスメや韓国アイドルに関心があるZ世代。そんなZ世代の韓国旅行を調査しました!

韓国に行ったことがある人は『はい(15人)』と、4人に1人が韓国旅行経験があるという結果になりました。また、韓国内のどのエリアを旅行したかは、『ソウル(15人)』『プサン(2人)』と、圧倒的にソウルの方が多かったです。まずはソウルへ、という気持ちが大きいのではないでしょうか。

続いて、韓国旅行の内容についてもアンケート調査を行いました。『グルメ(13人)』『ショッピング(13人)』『観光(9人)』という結果になりました。

グルメでは、タッカンマリ・タッカルビなどの本場の味を楽しんだり、ショッピングでは、韓国コスメ(fweeやd’Albaなど)や韓国ブランドのファッションアイテム(Mardi MercredやMatin Kimなど)を購入する人が多いです。日本で購入するよりも安価なものが多いことも理由です。ショッピング以外にも、民族衣装「チマチョゴリ」をレンタルして写真撮影をしたり、韓国で人気のロッテワールドで楽しむ人もいます!

(学生撮影)

韓国旅行がZ世代に人気な理由としては、ファッション・コスメ・美容・グルメ・アイドル・ドラマなどのZ世代が求めるトレンドを一度に体験できる場所であるからです。

交通手段
アンケート結果では、飛行機(43人)を利用する人が一番多かったです。コスパ重視のZ世代は格安で乗れる飛行機を利用しています。

◆ツアーやアプリの利用実態
アンケートの結果から、Z世代の8割がツアーを利用していないことがわかります。

また、アプリの利用実態としては、使わない人が(26人)いる中でも、agoda(28人)は利用している人が多いという結果になりました。

これらを踏まえて、Z世代はツアーはあまり利用せず、アプリ等を用いて自分で旅行のプランを組むことを好むということが分かります。

宿泊先選定基準
アンケートの結果から、Z世代は、デザインや立地も大事だが、清潔さや価格を最も重要視して宿泊先を選んでいるという結果になりました。検索キーワードとしては、『安くておしゃれ』『綺麗』『価格が低い』などが挙げられます。

◆エアビー
エアビーの利用率はこのようになっています。アンケートを実施したところ『利用したことがある(20人)』が32.3%で『利用したことがない(30人)』48.4%と回答した。しかし、知っている人は50人いるので今後伸びていく施設なのではないでしょうか。利用シーンとしては少人数はもちろん、ゼミやサークルなどの大人数での旅行にも使用できる点から、Z世代の旅行形態に取り入れられ始めています。

◆旅行先についての情報収集方法
Instagram(54人)やTikTok(42人)で情報を得る人が多いことが分かります。Z世代はこのように様々な媒体を利用し、お出かけ前にしっかりと情報収集を行うことから、失敗したくないという思いが強いのではないでしょうか。

さらに、「旅行中の外出先を決める際に最も参考にする情報は何ですか?」というアンケート調査を行いました。『SNSの投稿写真や映像の見た目(25人)』『口コミの評価(9人)』『料金やコスパ(4人)』『トレンド(2人)』『アクセスの良さ(1人)』という結果になりました。
この結果から、Z世代の“映え”への意識の高さが影響していると考えられます。反対に、『料金やコスパ』については、優先度が低く、自らが行きたいと思う場所を選んでいることも分かりました。

◆Z世代が魅力的だと感じる旅行に関するプロモーション方法
魅力的だと感じる旅行のPR方法について調査しました。『お得な割引や特典の提供(23人)』『インフルエンサーによる紹介(9人)』『公式SNSによるリール動画(9人)』という結果になりました。
割引特典が一番多かった理由として、Z世代の節約への意識の高さが挙げられると考えられます。続いて、同票だったインフルエンサーとSNSの利用については、Z世代がSNSをよく利用していることや、日ごろから見ているインフルエンサーへの信頼度が高いことが考えられます。交通機関で見かける広告は0人という結果で、電車内でスマホを見る習慣があり、電車広告に目を向けないことも影響しているのではないかと考えます。

2.Z世代はなぜ旅行するの??

 Z世代(62人)に「旅行する理由」について調査したところ、1位:楽しいから(19人) 2位:思い出作り(16人) 3位:非日常を体験 (12人)4位:ご当地グルメ( 9人)5位:絶景・観光地( 6人)6位:気分転換 (5人) 7位:新しい発見 (4人)という結果になりました。

この結果から、Z世代が旅行する理由として大きく2つに分けることができます。1つ目は、「エンタメ&思い出作り」です。学生だからこそできる、 友人との思い出作りのために旅行をすると考えます。2つ目は、「リフレッシュ&新たな発見」です。グランピングの流行や人気の旅行先の結果から、学校や勉強で忙しい日々から離れて、 リラックスできる旅行を選ぶことが考えられます。


3.Z世代の旅行先は??

◆人気の旅行先(国内)

1位        北海道 39票 31.7%
2位        沖縄県  16票      13.0%
3位        福岡県  10票      8.1%
4位        長野県  6票        4.9%
5位        東京都  5票        4.1%
以上が国内で人気の旅行先トップ5です。

国内では「北海道」が圧倒的に人気で、全体の16.9%を占めています。 続いて「沖縄」(6.9%)、「福岡」(4.3%)などがランクインしました。

北海道や沖縄のような「自然が豊かな場所」が特に好まれている傾向があり、 また、上高地や久島、箱根温泉などの選択肢からも、自然を感じられる旅行先に対して需要が高いと考えられます。

「東京」や「横浜」などの都市部も一定の人気はあるものの、地方の観光地が上位を占めているのが特徴です。

◆人気の旅行先(海外)

1位        韓国      12票      11.1%
2位        アメリカ            11票      10.2%
3位        スイス  8票        7.4%
4位        オーストラリア              7票        6.5%
5位        ハワイ  6票        5.6%
以上が海外で人気の旅行先トップ5です。

 海外旅行では「韓国」(5.2%)が最も人気で、次に「アメリカ」(4.8%)、「スイス」(3.5%)という結果になりました。

韓国の人気は、Z世代が日常的に接しているK-POPや韓国ドラマなどの影響が大きいと考えられます。韓国の若者文化やグルメへの関心が、旅行先としての人気につながっています。

アメリカやスイス、オーストラリアといった選択肢は、Z世代が持つ「異文化体験」や「インスタ映え」への期待があり、景色が楽しめる場所も人気です。

 ◆国内旅行と海外旅行どっちが人気?
アンケートの回答数が、国内が53.2%、国外が46.8%という結果から、国内旅行への関心が少し高いという結果になりました。実際に行った旅行先の結果でも国内旅行先が全体のほとんどを占めていました。近年の新型コロナウイルスの影響や円安などの経済的損失が、国内旅行が選ばれている理由になっていると考えられます。また、手軽に行ける国内旅行は、Z世代が重視する「コストパフォーマンス」の視点で選ばれているとも考えられます。


4.
Z世代の旅行・外出先選びの特徴

◆自然に癒されたい:都会の喧騒から離れた場所が人気
国内旅行で「北海道」「沖縄」「上高地」などの自然豊かな地域が上位にランクインしている点から、Z世代は日常生活のストレスから離れ、心を癒せる「リフレッシュ」や「リセット」を求めている傾向が強いと考えられます。

スイスやサントリーニ島、アイスランドなど海外の自然豊かな場所も人気で、雄大な景色や非日常的な体験に対する憧れが感じられました。

◆韓国人気の理由
韓国が海外旅行先で最も人気が高い理由には、「K-POP」「韓国ドラマ」などの大衆文化の影響が大きいと考えられます。BTSやBLACKPINK、韓国ドラマなどの影響により、韓国はZ世代にとって魅力的な文化の発信地となっています。

ソウルや釜山などの都市部では、グルメ(チーズハットグやサムギョプサル)、ファッション(ストリートブランド)やコスメ(韓国スキンケア)が大きなトレンドとなっており、若者文化をリアルに体験できるのが魅力です。

韓国旅行の特徴は、「手軽さ」です。日本から距離が近く、値段が比較的リーズナブルであることも大きな理由のひとつです。

SNSで人気のスポット(カフェ、夜景スポット、伝統的な韓屋エリア)を訪れたり、コスメショッピングを楽しんだりすることが「リアルな韓国体験」として支持されています。 韓国らしいものを楽しむという姿勢が強い点も特徴的です。

◆コスパ重視:価値ある体験への支出
Z世代は、コスパ(コストパフォーマンス)を重要視する世代です。国内旅行の「自然豊かな場所」や韓国の「リーズナブルな」 旅行が選ばれている背景には、限られた予算内で最大の満足感を得たいという意識があると考えられます。

ただし、「コスパ=安いものを選ぶ」ではなく、「自分の価値観に合ったものにお金を使いたい」という考えを持っているため、有名な観光地よりも自分が行きたい場所を選ぶ傾向があります。

5.Z世代ならではの価値観

 ◆旅行後の行動
旅行後の行動について調査しました。『インスタグラムに載せる(34人)』『友人に話す(7人)』という結果になりました。

シェアしない人はおらず、何らかのかたちでシェアすることが分かりました。インスタグラムには位置情報を投稿に載せることができ、友人の旅行先を共有することができます。また、Z世代は、友人にSNSや直接会ってシェアするだけで、口コミを書かないことが分かりました。

一方で、参考にする情報としては、写真映えの次に口コミの情報を参考にしていることが分かりました。Z世代は、信頼性のある情報を大切にしていると言えます。

◆まとめ
Z世代の旅行で重要視されるキーワードは、支払った金額に対する満足度の高さを重要視する『コスパ』とかけた時間に対する満足度の高さを重要視する『タイパ』です!いかに効率よく非日常感を味わうことができるかがカギとなります。またどんな消費を好むかというと、商品やサービスから得られる体験を重視する『コト消費』、その場限りの瞬間や他県を重視する『トキ消費』、懐かしさや風情を感じるなどの感情の動きを得る『エモ消費』が挙げられます。このようにZ世代は様々な要素を意識して旅行に取り入れ、楽しんでいることが分かります。トレンドが素早く移り変わるため、常に何がZ世代の中で流行っているのかを見極めることが重要となります。

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(注)本レポートは情報提供のみを目的として作成されており、執筆者の見解に基づき作成されたものです。本レポートは著作物であり、著作権法に基づき保護されています。本レポートを使用・掲載の際は必ず「(出所)武庫川女子大学」と明記して下さい。

 

 

 

 

 

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